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ウクライナ隣国ベラルーシ、ロシアの核兵器の配備可能にする改憲承認

2022年2月28日(月)11時35分
ベラルーシのルカシェンコ大統領

ウクライナの隣国ベラルーシで27日、憲法改正の是非を問う国民投票が実施され、中央選管によると65.2%の賛成多数で改憲が承認された。写真はベラルーシのルカシェンコ大統領。2月27日、ミンスクで撮影(2022年 BeITA/Handout via REUTERS)

ウクライナの隣国ベラルーシで27日、憲法改正の是非を問う国民投票が実施され、中央選管によると65.2%の賛成多数で改憲が承認された。核兵器を持たず中立を保つとの現行憲法の条項を削除する内容。複数のロシアの通信社が伝えた。ベラルーシにロシアの核兵器を配備することが可能になる。

ベラルーシではルカシェンコ大統領への抗議デモはしばらく抑え込まれてきたが、今回の国民投票は幾つかの都市でデモを誘発し、人権団体によると少なくとも290人が拘束された。

同氏はロシアのウクライナ侵攻後、一時は仲介役を務めるそぶりも見せたが、その後は姿勢を転換。この日は世論調査の投票所の1カ所で演説し、西側の核保有国がベラルーシ国境に近いポーランドやリトアニアに核兵器を配備するなら、ロシアのプーチン大統領に核兵器を返してくれるよう求めるとの考えを改めて表明した。ベラルーシはソ連崩壊後、国内に配備されていた旧ソ連軍の戦略核をロシアに引き渡している。

西側諸国は既に、国民投票の結果は正統な民意と認めないとの姿勢を明確にしている。

ルカシェンコ氏は強権的手段で国内の反対派を徹底弾圧し、欧米から圧力を受けていることで、ロシア寄りの立場を強めてきた。

[ロイター]


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