最新記事

軍事

北朝鮮、極超音速ミサイルの発射実験に成功「700キロ離れた標的に正確に命中」

2022年1月6日(木)11時02分
北朝鮮の「極超音速ミサイル」

1月6日、北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は同国が5日に「極超音速ミサイル」の発射実験に成功したと伝えた。写真は6日、KCNAが配信したもの(2022年 ロイター/KCNA)

極超音速ミサイルは、大気圏外に出て宇宙空間を飛行した後、再び大気圏に突入する弾道ミサイルとは異なり、低高度で標的に向けて音速の5倍以上の速度(時速約6200キロ)で飛行する。

KCNAは「極超音速ミサイルの発射実験に相次いで成功したことは、国家の戦略的武装力を近代化する作業を加速させるという点で戦略的意義がある」としている。

また、5日の実験では「極超音速滑空弾頭」がロケットブースターから外れ、120キロ水平に移動し、700キロ離れた標的に「正確に命中」したと指摘。飛行制御や冬の運用能力なども確認されたとした。

北朝鮮は2017年以降、核爆弾や長距離大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験を行っていないが、近年は米韓が持つようなミサイル防衛を克服することを目的に、より操縦性の高いミサイルや弾頭を開発・発射しているとアナリストは指摘している。

米カーネギー国際平和基金の上級研究員、アンキット・パンダ氏は「北朝鮮は極超音速グライダー(滑空体)をミサイル防衛に対処するための有用な質的手段と認識しているようだ」と述べた。

アナリストによると、写真からは5日の実験に使用されたミサイルが、円錐形の機動式再突入体(MaRV)を搭載した液体燃料弾道ミサイルであることが確認できるという。

パンダ氏は、昨年の実験とは異なるバージョンで、10月に平壌で開催された国防発展展覧会で初めて公開されたものだと指摘。「少なくとも2つの開発プログラムを立ち上げているようだ。1つは9月に実験が行われた『火星8』だ。今回のミサイルは火星8といくつかの共通する特徴があるが、別のものだ」と語った。

米国務省は、5日のミサイル発射は複数の国連安全保障理事会決議に違反し、近隣国の安全を脅かすとして非難した。

北朝鮮の非核化や弾道ミサイル放棄の実現に向けた協議は、金正恩朝鮮労働党総書記とトランプ前米大統領による一連の首脳会談が決裂して以降、頓挫している。

*写真を更新しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

〔情報BOX〕パウエル米FRB議長の会見要旨

ビジネス

FRBが3会合連続で0.25%利下げ、反対3票 緩

ビジネス

FRBに十分な利下げ余地、追加措置必要の可能性も=

ビジネス

米雇用コスト、第3四半期は前期比0.8%上昇 予想
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 2
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 3
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎の物体」の姿にSNS震撼...驚くべき「正体」とは?
  • 4
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 5
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキン…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「正直すぎる」「私もそうだった...」初めて牡蠣を食…
  • 8
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 9
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 10
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中