最新記事

パンデミック

「オミクロン株、グローバルなリスク非常に高い」 WHOが各国に対策呼びかけ

2021年11月29日(月)18時37分
ジュネーブのWHO本部

世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」について、世界的に広がる可能性が大きいとの認識を示した。ジュネーブのWHO本部で4月撮影(2021年 ロイター/Denis Balibouse)

世界保健機関(WHO)は29日、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」について、世界的に広がる可能性が大きいとの認識を示した。一部地域で感染者が急増し「深刻な結果」をもたらす可能性があり、グローバルなリスクが「非常に高い」とした。

WHOは加盟国への技術的助言で、優先度の高い人々へのワクチン接種の加速、必要不可欠な医療サービスを維持する計画の確実な実施を要請。

「オミクロン株は、これまで例のないほど多くのスパイクの変異がみられ、その一部はパンデミックにつながる潜在的影響に関連する」とし「新たな懸念される変異株(VOC)、オミクロン株に関連したグローバルリスクは非常に高いと判定されている」と述べた。

これまでのところオミクロン株に関連した死亡例は報告されていないが、オミクロン株ワクチンや感染によって獲得した免疫を回避する可能性については、一段の研究が必要とし、今後数週間でさらなるデータが出てくるとの見通しを示した。

「深刻度の変化に関係なく感染者の増加は、医療システムへの極めて強い需要、疾病率や死亡率の上昇につながりかねない」とした。

オミクロン株は24日に南アフリカから報告されて以降、欧州の一部の国などで感染例が報告され、各国は相次ぎ水際対策を発表している。日本は29日、11月30日午前0時から全世界を対象に新規外国人の入国を禁止すると発表した。

WHOは「海外往来に関する措置の調整は機動的にリスクに基づくアプローチ」を取るよう各国に要請した。

オミクロン株のスパイクたんぱく質に多くの変異がみられることから、中和抗体による免疫を回避する可能性が高いものの、それを予測するのは難しいとし「オミクロン株の免疫回避の可能性の度合いについては多大な不確実性がある」とした。

また、比率は小さく予測可能ながら、ワクチンを接種した人が感染する事例が出てくると予想した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB議長、QT停止の可能性示唆 「数カ月以内」に

ビジネス

トランプ氏、中国との食用油取引打ち切り検討

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、米中通商懸念が再燃

ビジネス

米ボストン連銀総裁、追加利下げ支持を再表明 雇用リ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    【クイズ】アメリカで最も「死亡者」が多く、「給与…
  • 5
    「中国に待ち伏せされた!」レアアース規制にトラン…
  • 6
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 7
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 8
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    あなたの言葉遣い、「AI語」になっていませんか?...…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 7
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 8
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 9
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 10
    あなたは何型に当てはまる?「5つの睡眠タイプ」で記…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中