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「台湾有事」というビジネスリスクを、企業はどう考慮しておくべきか

IS WAR INEVITABLE?

2021年10月16日(土)17時17分
サラ・シュイ

米中の軍事衝突は極めて不幸な事態だろう。両国は数十年を費やして経済関係・外交関係を構築してきたのだ。米企業は何年もかけて中国に生産・流通拠点を移しつつ、日本やインドネシアから部品などを調達し、最も効率的な輸送ルートを厳選してきた。何より代えが利かないのは、円滑な操業のために雇った外国人・中国人労働者かもしれない。

それでも台湾をめぐる中国の軍事行動が深刻な脅威をもたらす可能性は否定できず、米企業は生産拠点の多様化を図る必要がある。既に多くの企業が「チャイナプラスワン」戦略の下、中国の生産拠点は維持しつつ、ベトナムやメキシコなどにも分散させている。リスクが高まる中、企業はこの戦略を中国でのビジネスの基本要件と見なすべきだ。

米企業をはじめ中国で操業する外国企業は米中対立の行方を注視し、中国での生産が中断された場合の代替案を十分検討しておくべきだ。平和的解決が希望にすぎない以上、操業継続のための戦略が不可欠だ。

©2021 The Diplomat

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