最新記事

副反応

韓国、ワクチン接種で麻痺症状の准看護師に労災認定

2021年8月6日(金)19時20分
ソウルで今年3月にファイザー製ワクチンの接種を受ける医療従事者

韓国の勤労福祉公団は6日、新型コロナウイルスワクチンを接種して麻痺症状が出た准看護師に対して、初めて労働災害(労災)を認定し、政府による補償の対象とすることを決めた。写真はソウルで今年3月にファイザー製ワクチンの接種を受ける医療従事者 Jung Yeon-je/Pool via REUTERS

韓国の勤労福祉公団は6日、新型コロナウイルスワクチンを接種して麻痺症状が出た准看護師に対して、初めて労働災害(労災)を認定し、政府による補償の対象とすることを決めた。

この准看護師は、3月12日に英アストラゼネカ製ワクチンを接種した後、物が二重に見える症状と麻痺の症状が出て、急性脳脊髄炎と診断された。

准看護師に基礎疾患はなく、勤労福祉公団はワクチン接種との間に合理的な因果関係があるとみられるとの認識を示した。

アストラゼネカは、患者の安全が何よりも重要だと表明。「世界保健機関(WHO)を含む国際機関は、ワクチンが、あらゆる重症度の新型コロナ感染症、懸念される変異株に対し、高いレベルの効果を発揮すること、新型コロナを克服する世界的な取り組みでワクチンが鍵を握ることを引き続き再確認している」との声明を発表した。

韓国政府は、他の多くの国と同様、新型コロナワクチンの接種で健康被害が生じた場合、製薬会社に代わって患者に補償している。

新型コロナワクチンの接種で深刻な副反応が生じた場合には最大1000万ウォン(8747ドル)が支払われるが、労災と認定されたのは今回が初めて。

医療関係者は、優先的にワクチン接種を受ける権利があり、接種を奨励されていたが、強制はされてはいなかった。

韓国疾病予防管理庁(KDCA)によると、新型コロナワクチンの接種を巡る賠償では、死者14人を含む計1526人が審査の対象となっており、このうち生存者983人に補償が認められている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・インド、新たな変異株「デルタプラス」確認 感染力さらに強く
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

メキシコCPI、11月前半は予想上回る コアインフ

ビジネス

ルノーCEO、新EU規則で現地部品調達の定義拡大を

ワールド

為替相場、投機的動向含め高い緊張感持って見極めてい

ワールド

米国防総省、民主議員を「不正」で調査 軍に違法な命
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 10
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中