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米軍のアフガン撤退は中国との競争に集中するため? 判断は本当に正しいか

Biden’s Plan Doesn’t Add Up

2021年7月22日(木)17時57分
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)

これは4月のバイデンの発言からも透けて見えた。「中国との厳しい競争に対処するためには、アメリカの競争力を強化しなければならない。......過去20年ではなく、今後20年の戦いに取り組めば、われわれは敵や競争相手にとって手ごわい存在になれる」

この見解は正しい。また、最近のテロリストには多くの潜伏場所があり、アフガニスタンにばかり注力すれば、他の危険地帯の監視が手薄になるのも事実だ。もはやアフガニスタンで軍事的な勝利を挙げるのは不可能だし、タリバンの言葉は信頼できないし、いずれ撤退するなら今するべきだという指摘も正しい。

しかし4月の演説でバイデンは、タリバンを阻止し、カブールの政府を守るというアメリカのアフガニスタン関与の柱は揺るがないとも語った。

「いかなるテロリストもアフガニスタンの地からアメリカとその同盟国を脅かすことを許さない、という約束をタリバンに守らせる。アフガニスタン治安部隊を引き続き支援する」

6月25日のアフガニスタンのアシュラフ・ガニ大統領との会談では、(タリバン政府が復活すれば深刻な権利侵害のリスクがある)「女性や少女や少数民族をはじめ、アフガニスタンの人々へのアメリカの支援の継続を強調」し、「米軍撤収後も両国の強固なパートナーシップを維持することで合意した」(ホワイトハウスの配布資料より)。

建前という印象は否めない

マーク・ミリー米統合参謀本部議長も、カブールなどアフガニスタンの主要都市がタリバンの手に落ちる恐れがある場合は、空などからの援護を考えているらしい(その場合、バイデンが空爆を許可しなければ政権内で内輪もめになりそうだが)。

いずれも建前という印象は否めない。アフガニスタン最大の米空軍基地(以前は最大の旧ソ連軍基地)だったバグラムからあらゆる機器が略奪されているだけになおさらだ。

タリバンがカブールの政府を打倒しようとしたらバイデンはどうするか。可能性は2つある。

バイデンが約束を守り、米軍を今後数年間アフガニスタンにとどまらせる。その場合、兵力は削減され、コストは増大する。一方、約束を守らなければ、米軍撤収のデメリットの1つがさらに悪化する。つまり一般的なアメリカの約束にはあまり価値がないことが露呈する。

バイデンが米軍撤収を決めたのはもっともだが、撤収後にアフガン情勢が混乱すれば、批判派だけでなく、多くの人々が2つの事実を思い起こすだろう。

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