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裏帳簿で脱税の証拠を掴まれたトランプ企業、ケチすぎる態度が命取りに

2021年7月6日(火)17時21分
ジェレミー・スタール

トランプ・オーガニゼーションが裏帳簿をつくっていた最大の意図は、表向きの報酬と諸手当を合計したワイセルバーグへの支払額が94万ドルを1ドルたりとも超過しないようにすることにあった。このようなケチな態度は、よく言われているトランプ流のビジネス手法とも合致する。

ニューヨーク・タイムズ紙の記事では、トランプのカジノ事業でCFOを務めたジョン・バークの言葉を紹介している。それによれば、トランプの会社で納入業者対応を担当した経験を持つ社員たちは全て、「業者から徹底的に搾り取る」方法を心得ているという。なかでも、ワイセルバーグは支払いを最小限に抑え、できるだけ先延ばしにする達人だったと、バークは語っている。

これまでのところ、このような取引先への仕打ちによりトランプが責任を問われたことは一度もない。しかし、今回のワイセルバーグをめぐる事件で裏帳簿が明るみに出たことにより、トランプはいよいよ日頃の強欲な行動のツケを払わされるのかもしれない。

©2021 The Slate Group

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