最新記事

クーデター

ミャンマー、デモ弾圧続く イースターエッグが抵抗のシンボルに

2021年4月5日(月)08時36分

ミャンマーのクーデターで実権を掌握した国軍に抗議するデモ隊は4月4日、イースターエッグ(復活祭の卵)を抵抗のシンボルにし、国軍打倒などのメッセージを書いて訴えた。ソーシャツメディア上の写真、3日にマンダレーで撮影(2021年 ロイター)

ミャンマーのクーデターで実権を掌握した国軍に抗議するデモ隊は4日、イースターエッグ(復活祭の卵)を抵抗のシンボルにし、国軍打倒などのメッセージを書いて訴えた。各地の街頭では抗議活動も行われ、治安部隊によって少なくとも3人が射殺された。

ソーシャルメディアに投稿された写真には、「春の革命」、「われわれは必ず勝つ」、「MAH(ミン・アウン・フライン国軍総司令官の)打倒」と書かれたイースターエッグが写っており、最大都市ヤンゴンでは若者がメッセージ入りのエッグを配った。

国軍によるデモの弾圧とデモ指導者の拘束は続いており、ミャンマーの人権団体「政治反支援協会(AAPP)」によれば、2月1日に国軍がクーデターで全権を掌握して以降、3日時点で557人の市民が死亡した。

ニュースサイト「イラワジ」によると、首都ネピドーでは警察がデモ隊に向けて発砲し、2人が死亡。現地メディア「ミャンマー・ナウ」によると、北部バモーでもこの日、1人が殺害された。

その後、日中にデモが行われた第2の都市マンダレーで、夜間の外出禁止時間に負傷した医療関係者が道路に放置されているとみられる写真がネット上に投稿された。

AAPPによると、ミャンマーでは2658人が拘束されている。ヤンゴンで先週、CNN取材班のインタビューに応じた女性4人と男性1人が含まれる。CNNはこれに関し、当局に情報を求めているとした。

ネット上ではまた、国軍のゾー・ミン・トゥン報道官のCNNとのインタビューの動画が放送前に拡散された。撮影者は不明だが、動画の中で報道官は、民主化指導者アウン・サン・スー・チー氏の父親で「建国の父」とされるアウン・サン将軍が現状を見たらどう思うだろうかと質問され、「『わが娘よ、君は本当に愚かだ』と言うだろう」と述べている。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、日鉄とUSスチールの「パートナー

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退

ビジネス

米国株式市場=S&P500ほぼ横ばい、月間では23

ワールド

トランプ氏の核施設破壊発言、「レッドライン越え」=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中