最新記事

軍事

米艦船が台湾海峡を通過──演習、挑発を急増させる中国と一触即発に

U.S. Warship, Carrier Ramp Up Maneuvers in Taiwan Strait and South China Sea

2021年4月9日(金)17時05分
ジョン・フェン

ジョン・S・マケインは米軍艦としてバイデン政権で初めて、中国と台湾を隔てる不安定な海峡を2月に通過した。台湾や日本を含む近隣諸国が中国の軍拡政策への懸念を強める中で、バイデンが地域の安全と安定を重視する姿勢を示したと、専門家たちには捉えられている。

それぞれ2月と3月に行われた米海軍のミサイル駆逐艦「カーティス・ウィルバー」と「ラッセル」の台湾海峡通過に対しても、中国政府は同様の非難を表明した。

また、米海軍による他の地域での活動についても「力の誇示」と批判している。複数の報道によれば、米海軍の空母セオドア・ルーズベルトは、マレーシア空軍との合同演習を6~7日に控えた4日、空母打撃軍とともに南シナ海に戻っている。

中国海軍の関係者は5日、空母遼寧が率いる小規模な編成タスクグループ(任務群が、「台湾近くの海域で」演習を実施していると述べていた。遼寧は、中国初の戦闘能力を持つ空母であり、現在は遠洋訓練のため太平洋に配備されている。

今回の米海軍による台湾海峡通過は、遼寧が台湾の東側で行った演習を受けたものなのかという質問を受けた米国防総省の報道官ジョン・カービーは、「我々が世界中で実施する『航行の自由』作戦は、特定の出来事や、他国の特定の行動に対応するためではない」と否定した。

「我々が国際法と、すべての国が国際法に従って航行、活動、飛行する自由について、どれほど強く信奉しているかというメッセージを送るためだ」

カービーは、さらにこう続けた。「海洋の自由は、魚や氷山のためだけに存在するのではない。この作戦を行う目的は、まさにそうした概念を強化することにある」

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米ヤム・ブランズ、ピザハットの売却検討 競争激化で

ワールド

EU、中国と希土類供給巡り協議 一般輸出許可の可能

ワールド

台風25号がフィリピン上陸、46人死亡 救助の軍用

ワールド

メキシコ大統領、米軍の国内派遣「起こらない」 麻薬
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 6
    高市首相に注がれる冷たい視線...昔ながらのタカ派で…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    【HTV-X】7つのキーワードで知る、日本製新型宇宙ス…
  • 10
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中