最新記事

アメリカ社会

春休みで狂乱のマイアミに不吉な「ジョーカー」登場

Miami Beach Joker Video Viewed Over 1 Million Times As City Extends Curfew

2021年3月24日(水)16時57分
スー・キム

市の当局者たちによれば、街頭に押し寄せたのは学生だけではない。新型コロナ関連の規制が緩和されたフロリダ州で春休みを楽しもうと集まった、そのほかの成人も多くいるという。アギラは、これまでに身柄を拘束された1000人のうち半数以上が州外から訪れた人々だと述べ、その多くが「無法行為やなんでもありのお祭り騒ぎ」を目当てに同州にやって来たと指摘した。

フロリダ州のロン・デサンティス知事は2020年9月、行政命令によって、マスクを着用していない人に罰金を科すことを禁止。さらにレストランなどを含む各種ビジネスへの制限を解除し、最大収容人数50%での営業を認めた。

ジョンズ・ホプキンズ大学によれば、フロリダ州では3月22日時点で新型コロナウイルスの感染者が200万人を超えているが、デサンティスは会見で「全ての企業や事業所には営業を行う権利がある」と語った。「個々の地域が正当な理由に基づく規制を導入することは可能だが、理由もなく禁止することはできない」

マイアミビーチ警察のリチャード・クレメンツ署長によれば、18日までには街に押し寄せる人が増えてきて、あちこちで喧嘩が起きたり、大勢の人が一斉に安全を求めて走り出したりするなどの危険な混雑が報告されていた。

夜間外出禁止は「正しい決断」と警察

19日の夜までには、あるレストランが「滅茶苦茶な状態にされた」と警察は言う。「椅子が武器として使われ」、割れたガラスが床一面に広がっていた。クレメンツは21日の会議で「これ以上、この状態を容認することはできない」と述べた。「夜間外出禁止令の発令は正しい決断だったと思う」

午後8時から翌朝6時までの外出禁止令は、東はオーシャンドライブ、西はペンシルベニア・アベニュー、南は5番街、北は16番街までをカバーする「人が多く集まる地域」に発令された。個人であれ企業や組織であれ、これらの措置に違反した者は「逮捕および刑事訴追の対象」になる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中朝首脳が会談、戦略的な意思疎通を強化

ビジネス

デジタルユーロ、大規模な混乱に備え必要=チポローネ

ビジネス

スウェーデン、食品の付加価値税を半減へ 景気刺激へ

ワールド

アングル:中ロとの連帯示すインド、冷え込むトランプ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...地球への衝突確率は? 監視と対策は十分か?
  • 3
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨットバカンスに不参加も「価格5倍」の豪華ヨットで2日後同じ寄港地に
  • 4
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 5
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 6
    Z世代の幸福度は、実はとても低い...国際研究が彼ら…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 8
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 9
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中