最新記事

アメリカ社会

春休みで狂乱のマイアミに不吉な「ジョーカー」登場

Miami Beach Joker Video Viewed Over 1 Million Times As City Extends Curfew

2021年3月24日(水)16時57分
スー・キム
マイアミでジョーカーに扮した男

170万回近く再生されたマイアミのジョーカー Billy Corben/YouTube

<ジョーカーに扮して「コロナは終わった」と叫ぶ男の動画は170万回近く再生されたが、フロリダのコロナは終息から程遠い>

米フロリダ州のマイアミビーチで、ジョーカーのようなフェイスペイントを施した男が米国旗を振りながら「COVID(新型コロナウイルス感染症)はもう終わったんだ!」と叫んでいる様子を捉えた動画が、ツイッター上で急速に広まっている。

ドキュメンタリー映画監督のビリー・コーベンが3月20日に投稿したこの動画は、これまでに170万回近く再生された。


動画が投稿された20日、マイアミビーチは繁華街に午後8時以降の外出禁止令を出すなどの「緊急措置」を導入した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が続くなか、春休みで押し寄せた人々が制御不能となったためだ。市の当局者たちは21日に会議を行い、夜間外出禁止令の1週間延長を決定。必要であれば4月以降も延長する可能性があると述べた。

ドキュメンタリー映画『Cocaine Cowboys(コカイン・カウボーイズ)』や『The U』の監督として知られるコーベンは、何年も前から「フロリダの男」たちの言動にスポットを当ててきた。

コーベンはツイッターにジョーカーの動画を投稿し、次のようなコメントを添えた。「ジョーカーのようなフェイスペイントと髪型をして、車の屋根の上で星条旗を振り回して『コロナは終わったんだ!』とウイルスをまき散らしている#BecauseMiami(フロリダ男)」

喧嘩や破壊行為が多発

「憎いコロナは終わった。終わったんだ!くそったれ!」と叫ぶ「ジョーカー」を見上げて歓声を上げる人々は、マスクをしていない。

フロリダは州全域でのマスク着用は義務化されていないが、マイアミデード郡やブロワード郡、オレンジ郡など一部の地域ではマスク着用が義務づけられている。

マイアミビーチ警察は、「春休みに入って押し寄せた人が予想以上に多かったことに関連する深刻な懸念」を表明。これを受けてラウル・アギラ市長代理は20日、市全域に非常事態を宣言した。

市の当局者たちは21日、これまでに1000人を超える人が身柄を拘束されていることを引き合いに出し、大人数で集まって騒ぐなどの行為が公共の安全を脅かしていると警告した。マイアミビーチでは街頭での喧嘩やレストランでの破壊行為、マスク着用拒否などの無法行為が報告されている。

マイアミビーチ警察は21日、「我々は金曜日(19日)以降、これまでに50人以上の身柄を拘束し、8つの火器を押収した」とツイートした。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米雇用4月17.7万人増、失業率横ばい4.2% 労

ワールド

カナダ首相、トランプ氏と6日に初対面 「困難だが建

ビジネス

デギンドスECB副総裁、利下げ継続に楽観的

ワールド

OPECプラス8カ国が3日会合、前倒しで開催 6月
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 4
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 5
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 6
    宇宙からしか見えない日食、NASAの観測衛星が撮影に…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    金を爆買いする中国のアメリカ離れ
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中