最新記事

新型コロナウイルス

パンデミック宣言から1年、世界の何が変わったか

Four Surprising Ways COVID Changed the World a Year Into the Pandemic

2021年3月12日(金)18時00分
エド・ブラウン
 インド ムンバイ ロックダウン フラミンゴ

新型コロナウイルス感染症で死んだ人のために作られた急ごしらえの墓地と花輪(2020年12月、ギリシャのテッサロニキ) Alexandros Avramidis-REUTERS

<新型コロナウイルスの流行で世界に起きた4つの大きな変化>

2020年3月11日、WHO(世界保健機関)は新型コロナウイルス感染症の流行を「パンデミック(世界的大流行)」と認定した。アメリカで初の感染例が確認されてから、既に1カ月以上が経過していた。

この1年で世界は大きく変わった。失業率の悪化や企業への打撃などの急激な変化もあれば、まだ実感を伴わないゆっくりとした変化もある。この1年でみられた際立った変化を幾つか挙げてみる。

グリーン・リカバリー

パンデミックの影響で鉱工業生産や大量輸送が停止した結果、温室効果ガスの排出ペースが減速した。

英シンクタンクの炭素ブリーフによれば、中国では4週間で温室効果ガスの排出量が25%減少。だが研究者たちは、こうした環境への恩恵は一時的なものだろうと予想する。

新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ経済をなんとか立て直そうと、多くの経済大国はむしろ環境をますます汚染するような産業に資金を投じている。

英オックスフォード大学景気回復プロジェクトと国連環境計画が3月10日に共同で発表した報告書によれば、主要経済国がコロナ禍からの復興のために投じた資金のうち、「グリーン(環境配慮型)」と見なされるものは18%にすぎない。

つまり各国政府が投じてきた復興資金14.6兆ドルのうち、環境を重視した投資は3410億ドルにすぎないということだ。グリーン支出の大半はスペインやドイツが占めているが、グリーン・テクノロジーの研究開発への投資はわずか289ドル、低炭素エネルギーへの投資は約661億ドルだった。

オックスフォード大学景気回復プロジェクトの研究主任で報告書の著者であるブライアン・オカラガンは、次のように述べた。「コロナ禍からの持続可能な復興に向けて、一部の国は前向きな投資をしているが、世界全体としての取り組みはまだ不十分だ」

ワクチン開発

新型コロナウイルスのワクチン開発は史上最速のスピードで行われ、病原体の特定からワクチンの実用化までにかかった時間は12カ月足らずだった。これまでの最速記録は1960年代のおたふく風邪のワクチンだったが、それでも開発から実用化までには4年かかっている。新型コロナのワクチン開発の経験が、今後のワクチン開発を大きく変える可能性があり、これがパンデミックのもたらしたひとつの前向きな影響かもしれない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米印首脳が電話会談、関税導入後3回目 二国間関係な

ワールド

トルコ中銀が150bp利下げ、政策金利38% イン

ワールド

ウクライナ、米国に和平案の改訂版提示 領土問題の協

ビジネス

米新規失業保険申請、約4年半ぶり大幅増 季調要因の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキャリアアップの道
  • 2
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれなかった「ビートルズ」のメンバーは?
  • 3
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 4
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 5
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 6
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナ…
  • 7
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎…
  • 8
    ピットブルが乳児を襲う現場を警官が目撃...犠牲にな…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 10
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中