最新記事

中東

ローマ教皇フランシスコがイラク訪問 暴力終結や宗教間の融和訴え

2021年3月6日(土)10時18分

ローマ教皇フランシスコは5日、歴代教皇として初めてイラクを訪れた。サレハ大統領と対面する教皇(2021年 ロイター)

ローマ教皇フランシスコは5日、歴代教皇として初めてイラクを訪れた。訪問は4日間の日程で、暴力の終結や宗教間の融和を訴える。イスラム教指導者との会談も予定されている。

教皇はイラクに向かう機中で記者団に対し、イラクが長年苦難を受けてきたとし、「象徴的な」訪問になると語った。

バグダッド市内の沿道には防弾車で移動する教皇を見ようと、数百人の市民が集まった。教皇の滞在中、イラクには数千人の治安部隊が配備され、厳戒態勢が敷かれるという。

教皇は大統領官邸で「イラクが戦争の悲惨な影響やテロ、宗派間の争いに苦しんできた」とし、「武力の衝突が静まり、暴力や過激主義が終焉(しゅうえん)を迎えることを祈る」と訴えた。

イラクのサレハ大統領は、新型コロナウイルス禍にも関わらず、教皇が訪問に踏み切ったことに謝意を伝えた。

教皇はその後、2010年に約50人のキリスト教信者が武装集団に殺害されたバグダッドの教会を慰問する。

6日には中部ナジャフでイラクのイスラム教シーア派最高権威シスタニ師と会談するほか、キリスト、イスラム、ユダヤ教の共通の祖とされる預言者アブラハムの生誕地、南部ウルを訪問する。

7日には、過激派組織「イスラム国(IS)」の拠点とされた北部モスルを訪れる予定。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インドネシアFDI、第3四半期は前年比-8.95%

ビジネス

川崎重と独タウルス社、技術協力を検討 巡航ミサイル

ワールド

英政府、中国大使館建設計画巡る決定を再び延期 12

ビジネス

米銀、アルゼンチン向け200億ドル融資巡り米財務省
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口減少を補うか
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体…
  • 5
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 6
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 7
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    ホワイトカラーの62%が「ブルーカラーに転職」を検討…
  • 10
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 1
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 4
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中