最新記事

ワクチン

320万人がワクチン接種したイスラエル、「ファイザーのワクチンの有効性は94%」が証明された

2021年2月26日(金)18時15分
松岡由希子

約35%に相当する326万人超が2回の接種を終えているイスラエル REUTERS/Amir Cohen

<国民へのワクチン接種を世界最速のペースですすめているのがイスラエルで、ファイザーの新型コロナウイルスワクチンの有効性を確認する研究が行われた......>

米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチン「BNT162b2」は、2020年12月8日に英国で初めて接種が開始されて以降、世界各国で接種がすすめられ、日本でも2021年2月14日、特例承認された。

1回目の接種から発症率が57%低下、重症化率62%低下

なかでも、国民へのワクチン接種を世界最速のペースですすめているのがイスラエルだ。2月26日時点で、人口の約50%にあたる464万人超が少なくとも1回接種し、約35%に相当する326万人超が2回の接種を終えている。

イスラエル・クラリット研究所、米ハーバード大学らの共同研究チームは、2月24日、「BNT162b2」の有効性について「2回目のワクチン接種から7日以上経過した人は、未接種者に比べて新型コロナウイルス感染症の発症率が94%低く、重症率も92%低い」との研究結果を医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」で発表した。

この研究結果では、1回目の接種から14日〜20日後に新型コロナウイルスの発症率が57%低下し、重症化率が62%低下したことも示されている。

「新型コロナを予防する有効率は95%であった」

研究チームは、人口の53%が加入するイスラエル最大の医療組織「クラリットヘルスサービス」のデータを用いて、2020年12月20日から2021年2月1日までにイスラエルで「BNT162b2」を接種した59万6618名と、年齢・性別・居住地などが類似する同数の非接種群を比較対照し、あわせて120万人が参加する形で、新型コロナウイルス感染症の発症、入院、重症化、死亡に対する「BNT162b2」の有効性を観察した。

今回の研究結果は、「BNT162b2」の第3相試験で示された有効性とも近似する。第3相試験では、被験者4万3448名のうち半数に「BNT162b2」、残りの半数に偽薬を投与し、「2回目の接種から7日目以降で、新型コロナウイルス感染症を予防する有効率は95%であった」との結果が示されていた。今回の研究結果は、国レベルの大規模な集団接種をもとに、新型コロナウイルス感染症の発症や重症化などに対して「BNT162b2」が有効であることを示した点で注目されている。

イスラエルでは、1月中旬から高齢者の感染者が大きく減少している

豪サウスウェールズ大学のライナ・マッキンタイア教授は、今回の研究結果について「集団免疫が可能となるかもしれないと期待させるワクチンだ」と評価する。

この点について、2月9日に「メドアーカイブ」で公開されたイスラエル・ワイツマン科学研究所らの未査読論文では、「60歳以上の高齢者を優先して新型コロナウイルスワクチンの接種をすすめるなか、イスラエルでは、1月中旬、新型コロナウイルスの感染者が減少しはじめ、とりわけ、高齢者の感染者が大きく減少している」との研究結果が示されている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

LNGカナダが増産、アジア向け輸出拡大 イラン攻撃

ワールド

豪中銀、来週利上げの見方強まる エコノミストが予想

ビジネス

米コールズ、26年売上高は最大2%減 利益見通しも

ワールド

イスラエル軍、レバノンで違法に白リン弾使用=国際人
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開された皇太子夫妻の写真が話題に
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 6
    「一日中見てられる...」元プロゴルファー女性の「目…
  • 7
    人間ダンサーを連れて「圧巻のパフォーマンス」...こ…
  • 8
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 9
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 10
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 4
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中