最新記事

感染症対策

全米でコロナワクチン2回目接種に障がい 煩雑な手続きで医療体制にさらなる負荷も

2021年2月2日(火)12時51分

米国で新型コロナウイルスワクチンの接種が進む中、高齢者など一部の市民はアポ取りの煩雑さやワクチン提供施設が近くにないなどの理由で、2回目の接種が受けられない状況に陥っている。あり粉週で1月21日撮影(2021年 ロイター/Cheney Orr)

米国で新型コロナウイルスワクチンの接種が進む中、高齢者など一部の市民はアポ取りの煩雑さやワクチン提供施設が近くにないなどの理由で、2回目の接種が受けられない状況に陥っている。

現在入手可能なワクチンは1回目の接種から数週間後に2回目を受ける必要がある。これが混乱の原因となり、医療体制にさらなる負荷をかけている。

テキサス州ヒューストンの保健当局は先週末、コールセンターへの問い合わせが多いため待ち時間が長くなっているとし、2回目の接種申請者に対し、辛抱強く待つよう呼び掛けた。

米疾病対策センター(CDC)によると、1日時点で国内の2600万人が1回目の接種を受け、600万人近くが2回目も接種した。

ジョンズ・ホプキンス大学でワクチンデータの追跡を行っているベス・ブラウアー氏は「2回目の接種に多少の遅れがでるだろう」と予想。

同氏は従来、優先接種の対象者が2回目の接種を開始することで1回目の接種件数が頭打ちになると予想していたが、そのタイミングが予想より後ずれしているという。

全米各地で対応も異なる。フロリダ州セミノール郡は、1回目の接種後の15分間の経過観察時間中に2回目の日時を確定させているが、ニューヨーク州オノンダガ郡では2回目の接種のアポ取りは実施日の数日前に行うのが慣例となっている。

カリフォルニア州ロサンゼルスの公立医療センターのネットワーク「セント・ジョンズ・ウェル・チャイルド・アンド・ファミリーセンター」は2回目の接種の通知を電子メールや電話で行った上で、1月25日に2回目のワクチン投与を開始した。幹部は、1回目の申し込みに対応しつつ2回目の通知を確実に行うのに、現場では「叫び声」が上がっていたと語った。

ガイドラインによると、米モデルナの新型コロナワクチンは1回目と2回目の間隔が4週間で、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンは3週間となっている。CDCはどちらも、間隔は最長で6週間まで延びても許容範囲だとしている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...
→→→【2021年最新 証券会社ランキング】



ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:現実路線に転じる英右派「リフォームUK」

ビジネス

ネクスペリア中国部門「在庫十分」、親会社のウエハー

ワールド

トランプ氏、ナイジェリアでの軍事行動を警告 キリス

ワールド

シリア暫定大統領、ワシントンを訪問へ=米特使
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 5
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中