最新記事

韓国社会

韓国またも宗教団体がクラスター発生源に コロナ陰謀論唱えるキリスト教団体など各地で感染拡げる

2021年1月25日(月)20時50分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネーター)

問題となったクラスターは、昨年11月27・28日に行われた集会イベントが原因とされる。この日、韓国全土から540名以上の信者がセンターに集まった。そして集会終了直後、この集会からクラスターが発生したことが明るみになった。問題の発覚後、地元自治体はすぐに対応し、InterCP側に集会の参加者名簿の提出を要請したが拒否されてしまった。

2次感染、3次感染で520名に感染拡大

その後も、InterCP側は感染者の情報提出の拒否、ウイルス検査の拒否、さらには偽の連絡先を提出するなど、「サラン第一教会」のように当局へ非協力的な態度をとっており、韓国民の非難が集中している。

結局、BTJ列邦センター訪問者のうち、なんと260名の感染が発覚。さらにそこから2次感染、3次感染が発生。520名以上に広まっていったという。

尚州市は、今月3日BTJ列邦センターの使用禁止命令を発令し、その4日後にはセンターの閉鎖を決定した。そして、InterCP幹部2名を警察に告訴し、拘束する素早い対応をみせた。

さらに、尚州市は11月に行われた集会に参加したにもかかわらずコロナウイルス検査を拒否し続けている信者57名を告訴している。市は「集会参加者全員の身元確保と、検査が終了するまで毅然とした態度で挑む」と強い声明を発表した。

尚州市に続き、ソウル市でも11月の集会イベントに参加していたInterCPの信者をGPS追跡捜査システムにより突き止め、検査拒否を続ける1名と連絡拒否の4名を告発したと発表した。個人情報保護よりも徹底した感染者追跡を優先する韓国の毅然とした姿勢は健在だ。

こうして、InterCPクラスターも落ち着きを見せはじめめたところ、先週末またしても2件の宗教施設でのクラスターが報道され、韓国民は落胆の色を隠せないでいる。

宗教団体の寮でクラスター

今月24日、大田市にある「IM宣教会」が運営する無認可教育施設IEM国際学校では、127名(1月25日現在)のクラスターが発生した。この学校は基本的に寮生活をしながら宗教を学ぶ施設であり、感染確認後、生徒と教員146名の検査を行ったところ生徒116名、教員11名の陽性が発覚したという。

陽性者はすでに治療センターに隔離され、施設は閉鎖されている。大田市教育庁は韓国防疫センターと協議し、類似する宗教団体関連の無認可学校も、防疫規則を順守しているか調査していくと発表した。

光州では教会の学習塾で感染

また、同じく24日、光州市にある「ピッネリ教会」では、同教会が運営するホームスクール型学習施設にてクラスターが発生した。

感染拡大第3波対策の防疫強化が開始されると、教会での集会はオンラインに変更されていたものの、教会職員とスクールの教員・生徒の一部は建物内の寄宿舎で寝泊まりしていたという。そこから感染が拡大してしまい、現在建物内にいた30名のうち18名の陽性が確認され、5名は陰性。残り7名の検査結果待ちだという(1月25日現在)。

新型コロナウイルスのパンデミックが発生し1年以上が過ぎた。韓国は、これまで感染数が増えても全国一斉の防疫対策など国民一丸となって取り組んできたが、またしても宗教団体の身勝手な行動でクラスターが起こってしまった。

先が見えない長い闘いに疲れ、神にすがりたくなる気持ちもよくわかるが、だからといって集団イベントを開催し、感染を拡大させることを神は望んでいるはずがない。このような信仰心を盾にしたクラスターが、もう二度と発生しないことを願っている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

パキスタンやイラクで抗議活動、イラン最高指導者の訃

ワールド

イランに2日目の空爆、トランプ氏は反撃に警告 ハメ

ワールド

アングル:ハメネイ師後継、現実派ラリジャニ氏が有力

ワールド

イランが湾岸諸国に報復攻撃、民間インフラも対象 複
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作曲家が「惨めでもいいじゃないか」と語る理由
  • 2
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力空母保有国へ
  • 3
    「努力が未来を重くするなら、壊せばいい」──YOSHIKIが語った創作と人生の覚悟
  • 4
    【クイズ】世界で最も「一人旅が危険な国」ランキン…
  • 5
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    「本当にテイラー?」「メイクの力が大きい...」テイ…
  • 8
    ウクライナが国産ミサイル「フラミンゴ」でロシア軍…
  • 9
    【クイズ】サメによる襲撃事件が最も多い国はどこ?
  • 10
    米・イスラエルの「イラン攻撃」受け、航空各社が中…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 7
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 8
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 9
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 10
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中