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感染第3波

東京17日のコロナ新規感染822人で最多更新 小池知事「年末年始コロナ特別警報」発出、ライトアップ停止など呼びかけ

2020年12月17日(木)22時35分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

東京都は17日、新型コロナウイルスの新規陽性者が過去最多の822人が確認されたと発表。小池知事が臨時の記者会見で「年末年始コロナ特別警報」発出を表明した。REUTERS/Issei Kato

東京都は17日、都内で新たに822人の新型コロナウイルス陽性者が確認されたと発表した。16日に続き2日連続で過去最多となった。

この日確認された陽性者は年代別に、20代と30代が379人で約46%、40代と50代が合わせて236人で約29%、65歳以上の高齢者は112人で約13%を占めている。また、都の基準による重症患者は前日から3人減って66人となっている。

これで都内で確認された陽性者の合計は49,490人となった。

11月から顕著となってきた新型コロナウイルスの感染第3波は、感染経路として家庭内での感染がもっとも多くなっているほか、企業や飲食店などでもクラスターが発生し感染拡大防止が難しい状況になっている。

小池都知事、「年末年始コロナ特別警報」発出

こうしたなか、東京都は17日午後にモニタリング会議を開催し、医療提供体制について、従来の「体制強化が必要であると思われる」から最高警戒レベルの「体制がひっ迫していると思われる」に初めて引き上げられた。これを受けて小池都知事は夕方から臨時の記者会見を開き、年末年始にこれ以上感染拡大を抑え込むため、「年末年始コロナ特別警報」を発出することを明らかにした。

会見の中で小池知事は前日16日に続き過去最多の822人の陽性者が出たことに触れて「これまで以上に危機感をもつ必要がある。年末年始は人の動きが活発になり、普段と違う動きになる訳でそれは即ち感染リスクが高まるということも意味する。この年末年始を感染拡大をストップさせるための特別な時期ということで、『年末年始コロナ特別警報』を発出する」と語った。

その理由として「昼のモニタリング会議で、このペースで感染拡大が進むと1日当たりの新規陽性者数は遠からず1000人の大台に乗る可能性があるとの指摘を受けた。感染者数が増えた後に重症者が増加していくわけで、今こそ命を守るという観点から危機感を共有していかなければならない」と述べた。

そのうえで、年末年始に感染拡大を抑える具体策として、
・年末年始は小さなグループで過ごす
・久しぶりの人に会うのはできるだけ避ける
・忘年会新年会ははできるだけ避ける
・帰省する場合には2週間前から会食を控える
といった事例を紹介。

さらに、地域のまちづくり団体などが主催している大規模施設でのイルミネーションイベントについて、来年の1月11日まで夜間ライトアップの停止や点灯時間の短縮などみを要請することを明らかにした。

医療提供体制を最高警戒レベルに引き上げ

小池知事の臨時会見に先立ち17日午後に行われたモニタリング会議では、年末年始がせまるなか、医療提供体制についてひっ迫している状況が報告された。

モニタリング会議で専門家は、「入院患者数は一時2,000人を超える非常に高い水準まで増加し、医療提供体制が逼迫している。新規陽性者数の増加比が約121%となり、現在の増加比が2週間継続すると12月31日には、医療提供体制の深刻な機能不全や、保健所業務への大きな支障の発生が危惧される。医療機関は通常の医療を行っている病床をコロナ患者用に転用しており、 コロナ患者のための医療と通常の医療との両立が困難な状況となった。また、保健所から入院調整本部への調整依頼件数は160 件/日を超える高い水準で推移し、 入院調整が前週よりもさらに難航し、連日、翌日以降の調整に繰り越し、待機を余儀なくされる例が多数生じている。入院患者数の急増により、受入可能な病床数が少ない状況が続き、緊急性の高い重症患者、認知症、透析患者や精神疾患を持つ患者の病院、高齢者施設からの転院に加え、中等症以上の 新規入院患者の入院調整も極めて難航している」との厳しい状況が報告された。


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東京都の新規陽性者数の推移

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