最新記事
メンタルヘルス

「長すぎるスマホ」に影響を受けやすいのは女の子だった...「スクリーン時間」に警戒すべき理由とは?【最新研究】

The Screen Time Effect

2025年6月28日(土)09時20分
リディア・パトリック
子どもとスマホ

スクリーン時間が長い子供は、不安、抑鬱、攻撃性、自己肯定感の低下を経験しやすい OLGAOTTO/SHUTTERSTOCK

<29万2000人超の子供たちを対象とした、117件の研究を通して明らかになったことについて>

子供がスクリーンの前で長時間過ごしすぎると、感情と行動に問題が生じるリスクがある? 

先頃、アメリカ心理学会の学術誌「心理学紀要(Psychological Bulletin)」に掲載された論文によると、テレビやデジタル機器を使用する時間が長い子供は、不安、抑鬱、攻撃性、自己肯定感の低下などの問題を経験している確率が極めて高いという。

同論文は、このテーマを取り上げた世界の117件の研究を分析したものだ。117件全て合わせると、10歳未満の子供たち29万2000人超が研究対象になった。


「娯楽や学校の宿題、友達への連絡など、子供がスクリーンの前で過ごす時間は長くなる一方だ」と、論文の共著者の1人であるクイーンズランド大学(オーストラリア)のマイケル・ノーテル准教授はコメントしている。

論文によると、全般的な傾向は明白だ。スクリーン時間が長い子供ほど、感情面もしくは行動面で問題が生じる確率が高い。その一方で、既に感情面の問題に苦しんでいる子供ほど、ゲームなどでスクリーン時間が長くなる傾向があるという。

ただし、具体的なパターンは年齢によって異なる。6~10歳の子供は、0~5歳の子供に比べて悪影響を受けやすい。

性別の面では、スクリーン時間が長い女の子は概して、男の子よりも感情面の問題を経験しやすい。それに対し、既に感情面の試練に直面している場合にスクリーン時間が長くなりがちなのは、男の子のほうだ。

東京アメリカンクラブ
一夜だけ、会員制クラブの扉が開いた──東京アメリカンクラブ「バンケットショーケース」で出会う、理想のパーティー
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ政権の輸入半導体関税、発動時期遅れる公算=

ビジネス

米国株式市場=反発、ハイテク株に買い エヌビディア

ビジネス

インタビュー:経営幹部を多国籍に、「唯一の例外で終

ビジネス

NY外為市場=円一時10カ月ぶり安値、片山財務相の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、完成した「信じられない」大失敗ヘアにSNS爆笑
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 6
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 7
    衛星画像が捉えた中国の「侵攻部隊」
  • 8
    ホワイトカラー志望への偏りが人手不足をより深刻化…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 6
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 7
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中