最新記事

人種問題

米フィラデルフィア、警察による黒人男性射殺で緊張続く 再び抗議デモ

2020年10月28日(水)16時55分

米ペンシルベニア州フィラデルフィア西部ではナイフを持っていた黒人男性が警察に射殺された事件を受けて、27日夜も抗議デモが繰り広げられ緊張の高い状態が続いている。写真はデモ参加者と警察が衝突する様子。フィラデルフィアで撮影(2020年 ロイター/Bastiaan Slabbers)

米ペンシルベニア州フィラデルフィア西部ではナイフを持っていた黒人男性が警察に射殺された事件を受けて、27日夜も抗議デモが繰り広げられ緊張の高い状態が続いている。

26日に射殺された27歳の黒人男性ウォルター・ウォレスさんは精神疾患を患っていたという。事件を受けて暴動や略奪が発生。一夜明けた27日も数百人が人種差別に反対する抗議デモを行った。

この日の集会は前日と同様に平和的に始まったが、夜になって緊張が高まったため警察は商業地区の一部を封鎖した。NBCテレビ系列で放送されたニュースの映像にはウォルマートの店舗での略奪の様子が写っていた。

ただ30人の警官が負傷し90人以上が逮捕される事態となった前日の衝突と比べて、おおむね規模は小さく激しいものではなかったもよう。

ウルフ知事(民主党)は27日、秩序維持を支援するためにフィラデルフィアに州兵を派遣した。

民主党大統領候補バイデン前副大統領と副大統領候補のハリス上院議員は共同声明を発表し、ウォレスさんの家族と、米国でまたも黒人の命が失われたことに傷ついている全ての人のために心を痛めていると表明。「この国で精神疾患を死によって終わらせることを受け入れることはできない」とした。

ペンシルベニア州は11月3日の大統領選の激戦州で、最大都市フィラデルフィアはマイノリティーが人口の多数を占めている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン


Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・強行退院したトランプが直面する「ウィズ・コロナ選挙戦」の難題
・巨大クルーズ船の密室で横行する性暴力
 


ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

エアバス、第3四半期利益・売上高が予想超え 小型機

ビジネス

FRB、12月1日でバランスシート縮小終了 短期流

ワールド

トランプ氏、韓国の原子力潜水艦建造を承認 米フィラ

ビジネス

日経平均はプラス転換し史上最高値、ハイテク株が押し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨の夜の急展開に涙
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理…
  • 6
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 7
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    リチウムイオンバッテリー火災で国家クラウドが炎上─…
  • 10
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中