最新記事

新型コロナウイルス

中国・青島市で冷凍食品から新型コロナウイルスが検出された

2020年10月23日(金)17時00分
松丸さとみ

中国で冷凍食品の外装から活性状態の新型コロナウイルスが検出された...... REUTERS/Thomas Peter

<中国の山東省青島市で、冷凍食品の外装から活性状態の新型コロナウイルスが検出されたことが明らかになった。10月中旬に集団感染が発生しており、冷凍食品の外装に付着したウイルスが感染源である可能性が疑われている......>

冷凍タラの外装から感染力のある新型コロナ検出

中国の山東省青島市で、冷凍食品の外装から活性状態の新型コロナウイルスが検出されたことが明らかになった。いわゆる「コールドチェーン」(生鮮品などを低温に保ったままでの物流)の中でも新型コロナウイルスが生き延びられることを示唆している。

これまでは、食品そのものや食品の外装に付着した新型コロナウイルスから感染することはないとされていたが、青島市では10月中旬に集団感染が発生しており、冷凍食品の外装に付着したウイルスが感染源である可能性が疑われている。

英紙ガーディアンによると、中国疾病予防管理センター(中国CDC)は10月17日、青島市内で冷凍タラの外装から、活性状態の新型コロナウイルスが検出されたと発表した。冷凍タラがどこで作られたものかなどは分かっていない。

青島市では集団感染を受けて、900万人とも1100万人とも言われる規模で市民の感染テストを実施した。冷凍食品の外装から新型コロナウイルスが検出されたのも、この集団感染を調査していた一環だった。

ガーディアンによると、今回の集団感染により、青島市内では2カ月ぶりに感染者が出たことになる。感染源は港湾作業員2人と見られており、この2人から他の12人に感染が広がった。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、作業員2人は外国から輸入された冷凍魚の積み荷降ろし作業をしており、これが感染の原因となった可能性が高いと中国当局は見ているようだ。

冷凍食品からウイルスの痕跡検出はこれまでも

WSJによると、中国では6月、北京で再感染が拡大した際に、生鮮市場で輸入サケを扱っていた業者のまな板から新型コロナウイルスが検出された。これを受けて当局は、生鮮品や冷凍の肉や魚を扱うスーパーや倉庫、ケータリング業者を中心に検査を行った。

こうしたこともあり中国当局は9月には、外国から中国の港に到着した肉や魚など50万サンプル以上を抜き取り検査したという。その際、冷凍食品──ロシア産のイカ、インドネシア産やノルウェー産の魚など──の外装から新型コロナウイルスの遺伝子の痕跡が検出された。しかし感染力を保った状態でウイルスが見つかったのは、今回の青島市のケースが初めてだとされている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、月内の対インド通商交渉をキャンセル=関係筋

ワールド

イスラエル軍、ガザ南部への住民移動を準備中 避難設

ビジネス

ジャクソンホールでのFRB議長講演が焦点=今週の米

ワールド

北部戦線の一部でロシア軍押し戻す=ウクライナ軍
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 2
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に入る国はどこ?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 5
    恐怖体験...飛行機内で隣の客から「ハラスメント」を…
  • 6
    AIはもう「限界」なのか?――巨額投資の8割が失敗する…
  • 7
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 8
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 9
    40代は資格より自分のスキルを「リストラ」せよ――年…
  • 10
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 4
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 5
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 6
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 8
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 9
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 10
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中