最新記事

2020米大統領選

トランプ、ホワイトハウスのバルコニーに立ち選挙戦再開へ 「コロナから回復」と強調

2020年10月12日(月)10時44分

トランプ米大統領はテレビ番組で、新型コロナウイルスから完全に回復し、感染を広げる恐れはなくなったと強調した。ホワイトハウスで10日撮影(2020年 ロイター/Tom Brenner)

トランプ米大統領は11日のテレビ番組で、新型コロナウイルスから完全に回復し、感染を広げる恐れはなくなったと強調した。11月3日の大統領選まで残り数週間となる中、大規模な選挙集会を再開する意向だ。

トランプ氏は、証拠を示さずに、免疫を獲得したとも主張した。ツイッターは大統領の投稿について、新型コロナ情報に関する同社の指針に違反していると警告を表示した。[nL4N2H20FL]

主治医のショーン・コンリー氏は10日、大統領が9日に検査を受け、感染を広げる恐れがなくなったことが示されたと公表した。だが、検査の結果が陰性だったかには直接言及しなかった。

トランプ氏は11日、FOXニュースの番組で「最も高い基準の検査に合格した。体調は非常に良い」と述べた。

新型コロナの治療薬はもはや使用しておらず、再感染のリスクはないと主張。「長期間かもしれないし、短期間かもしれないが、私は免疫を獲得したようだ。一生免疫が続くかもしれない。実際のところ誰にも分からない」と述べた。

民主党の大統領候補であるバイデン前副大統領を念頭に「あなた方の大統領は、対立候補のように地下に隠れる必要はない」とも語った。マスクを着用し、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を重視した選挙戦を展開しているバイデン氏を、トランプ氏は繰り返し揶揄(やゆ)してきた。

トランプ氏は10日、新型コロナに感染して以来初めて公のイベントに登場し、活動を本格的に再開した。

マスクを外し、ひとりでホワイトハウスのバルコニーに立った大統領は「法と秩序のための平和的な抗議」と題したイベントで演説。支持率でバイデン氏に後れを取るトランプ氏は、黒人やラテン系が数多く混じる数百人の支持者に対し、投票に行くよう呼びかけた。

予想したより短い演説の中で、トランプ氏は毅然と話し、メディアのインタビュー中に見られたせきなどをすることもなかった。

大統領は民主党を攻撃し、「社会主義者」、さらには「共産主義者」のテーマを追っていると批判。犯罪と戦い、米経済を強くしたと自身の功績を称賛した。

集まった支持者は旗を振り、「愛している」と声を上げていた。多くの人たちはマスクを着けていたものの、互いに間隔を開けることはしていなかった。

1週間以上も選挙活動をできないでいたトランプは12日にフロリダ州、13日にペンシルバニア州、14日にアイオワ州に出向く。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・強行退院したトランプが直面する「ウィズ・コロナ選挙戦」の難題
・巨大クルーズ船の密室で横行する性暴力


20240423issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月23日号(4月16日発売)は「老人極貧社会 韓国」特集。老人貧困率は先進国最悪。過酷バイトに食料配給……繫栄から取り残され困窮する高齢者は日本の未来の姿

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA

ビジネス

根強いインフレ、金融安定への主要リスク=FRB半期

ビジネス

英インフレ、今後3年間で目標2%に向け推移=ラムス

ビジネス

米国株式市場=S&Pとナスダック下落、ネットフリッ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中