最新記事

感染第2波

欧州のコロナ第2波、スペインなどで制限強化 仏大統領夫人ミシェルは隔離

2020年10月20日(火)10時16分

欧州で新型コロナウイルス感染第2波の勢いが衰える様子を見せていない。写真は営業が停止されたバルセロナのバー。16日撮影(2020年 ロイター/ALBERT GEA)

欧州で新型コロナウイルス感染第2波の勢いが衰える様子を見せていない。多くの国で1日当たりの新規感染者がこれまでの最多を記録し、感染封じ込めに向けた制限措置を強化する動きが相次いでいる。

累計の感染者数が100万人に迫っているスペインでは19日、複数の自治州で制限措置が強化された。

保険当局によると、感染者数は今週末に約3万8000人増加。カタルーニャ州では、24時間営業のビジネスに対し午後10時から午前7時までの閉店が命じられた。同州では先週、レストランとバーの営業が15日間停止されたばかり。

北部カスティーリャ・イ・レオン州の都市ブルゴスと周辺地域では20日から不要不急の往来が禁止されるほか、アラゴン州もレストランやバーの客数を制限し、午後10時から午前8時までのアルコール販売を禁止する。

隣国フランスでも感染者数が増加しており、週内に100万人を超える可能性がある。

仏大統領府は、ブリジット・マクロン大統領夫人が15日にコロナ感染者と接触したため、7日間の自主隔離措置を取ると明らかにした。現時点で、ブリジット夫人に症状はないという。

コロナ流行初期に迅速な対応を取り、感染が比較的抑制されていたポルトガルでも、過去24時間の新規感染者が約2000人に達し、累計の感染者数は10万人を超えた。先週末には1日当たりの感染者が過去最多を更新した。

同国では先週、5人以上の集会や大学でのパーティーを禁止、結婚式の出席者を50人に制限するなどの措置を導入した。

ベルギーでもコロナ新規感染者数が最多を記録。入院者も急増している。デクロー首相は、感染第1波に見舞われた3月よりも状況は深刻と警告した。

感染抑制に向け、レストランやバーの営業は同日から4週間停止となる。夜間の外出も禁止されるほか、大半の労働者の在宅勤務が義務付けられる。

ベルギーではコロナ感染症のよる死者が累計1万人超と、人口当たりの死亡率が世界で極めて高い水準にある。

ロシアでは、同日の新規感染者数が過去最多の約1万6000人に達した。モスクワでもこの日の感染者数が5376人となった。

それでも、モスクワのソビャニン市長は、現時点で感染拡大抑制に向けた制限措置を強化する必要はないと述べた。同市ではすでに、社員の30%を在宅勤務にさせ、学校でオンライン授業を導入するなどの制限措置を取っている。

英国ではこの日、1日当たりの新規感染者が1万9000人に迫った。ウェールズは新たなコロナ対策を発表し、23日から11月9日まで必須事業に携わる労働者を除き在宅勤務を要請。非必須ビジネスの営業休止も命じた。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ロシア開発のコロナワクチン「スプートニクV」、ウイルスの有害な変異促す危険性
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ

ニューズウィーク日本版 2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月7日号(9月30日発売)は「2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡」特集。投手復帰のシーズンも地区Vでプレーオフへ。アメリカが見た二刀流の復活劇

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ支援船団、イスラエル封鎖海域付近で船籍不明船が

ビジネス

ECB、資本バッファー削減提案へ 小規模行向け規制

ビジネス

アングル:自民総裁選、調和重視でも日本株動意の可能

ワールド

ザポリージャ原発、外部電源喪失1週間超 非常電源で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 2
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけではない...領空侵犯した意外な国とその目的は?
  • 3
    【クイズ】身長272cm...人類史上、最も身長の高かった男性は「どこの国」出身?
  • 4
    なぜ腕には脂肪がつきやすい? 専門家が教える、引…
  • 5
    女性兵士、花魁、ふんどし男......中国映画「731」が…
  • 6
    通勤費が高すぎて...「棺桶のような場所」で寝泊まり…
  • 7
    10代女子を襲う「トンデモ性知識」の波...15歳を装っ…
  • 8
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 9
    カーク暗殺の直後から「極左」批判...トランプ政権が…
  • 10
    アメリカの対中大豆輸出「ゼロ」の衝撃 ──トランプ一…
  • 1
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...「文学界の異変」が起きた本当の理由
  • 4
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 5
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 8
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 9
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 10
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中