最新記事

韓国

文在寅政権を支える3人の首長が起こした性的暴行事件、さらに在ニュージーランド韓国大使館でも

2020年9月9日(水)18時00分
佐々木和義

文在寅政権が放置してきたセクハラ問題が外交問題に発展しかねない状況に...... Jung Yeon-je/REUTERS

<文在寅政権を支える左派首長が相次いで性的暴行事件を起こしている。さらに、セクハラ問題はニュージーランドでも外交問題に発展しかねない状況を引き起こしている......>

文在寅政権を支える3人の左派首長が相次いで性的暴行事件を起こした。2人の首長は辞任し、ソウル市長は自殺した。

一方、フェミニストを自認する文在寅大統領は被害者を顧みることなく、政府・与党が放置してきたセクハラ問題は、ニュージーランドにも飛び火し、外交問題の火種となっている。

前忠清南道知事、釜山市長が性的暴行で辞任

2018年3月、安熙正(アン・ヒジョン)前忠清南道知事がセクハラの訴えを受けて辞任した。安熙正前知事は、2010年、民主党から立候補し、保守系候補を2.4%の僅差で破って初当選を果たした。前知事は、就任すると男女平等を訴え、女性団体の大会を開催するなど女性の幸せと人権を強調した。

2017年の大統領選で「共に民主党」の公認候補を選ぶ党内選挙に出馬し、文在寅現大統領に敗れたが、22年に任期を終える文大統領の後任候補の一人と目されていた。18年3月5日、政務秘書がニュース番組に出演し、8ヶ月に渡ってセクハラを受けたと訴えた。秘書室が合意の上だと釈明した一審は、無罪判決が下されたが、二審は有罪で、19年9月9月、懲役3年6ヶ月の実刑が確定した。

20年4月23日、同じく左派の呉巨敦(オ・ゴドン)釜山市長がセクハラ事件で辞任した。前月7日、市の女子職員を執務室に呼んでコンピューターについて教えてほしいと言いながら身体接触を試みた。女子職員は抵抗したが、呉前市長は約5分間、接触を続けたという。被害を受けた職員が「市長が4月30日までに辞任しないなら黙っていない」と詰め寄ると呉前市長は辞任し、検察が捜査に着手した。

釜山は隣接する慶尚道と並ぶ保守系の地盤である。朴正煕元大統領の信奉者も多い。2016年、市民団体が釜山日本領事館前に慰安婦像を設置すると、道路法違反を事由に撤去を求める市当局と像の保護を訴える市議会が対立した。慰安婦合意の破棄を掲げた文政権が誕生した翌年、呉巨敦氏は釜山市初の左派系市長となった。

呉市長は19年3月に慰安婦像を守ると明言し、また同年7月、日本政府が韓国向け輸出規制を強化すると日韓交流行事の見直しを宣言するなど日本と交流が深い釜山で、文政権に忠実に従った。文大統領の分身と評された曹国の不正に関与した疑いから家宅捜査を受けている。

4年に渡ったセクハラの発覚でソウル市長が自殺

また、朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長は4年に渡ってセクハラを行なった疑いが持たれている。20年7月8 日、女性秘書が4年の間、何度も身体接触を受けたとソウル市警に告訴状を届けた。秘書は何度も上司に異動を要請したが聞き入れられなかったという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミネソタ州に兵士1500人派遣も、国防総省が準備命

ワールド

EUとメルコスルがFTAに署名、25年間にわたる交

ワールド

トランプ氏、各国に10億ドル拠出要求 新国際機関構

ワールド

米政権、ベネズエラ内相と接触 マドゥロ氏拘束前から
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 2
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で国境問題が再燃
  • 3
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」も子に受け継がれ、体質や発症リスクに影響 群馬大グループが発表
  • 4
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 5
    AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サ…
  • 6
    「リラックス」は体を壊す...ケガを防ぐ「しなやかな…
  • 7
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 8
    中国ネトウヨが「盗賊」と呼んだ大英博物館に感謝し…
  • 9
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 10
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 6
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 7
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 8
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 9
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 10
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中