最新記事

ポスト安倍

石破茂元幹事長が総裁選出馬表明 コロナ対応優先、必要に応じ特措法改正も

2020年9月1日(火)18時23分

自民党の石破茂元幹事長は記者会見で、自民党総裁選に立候補すると正式に表明した。都内で記者会見する石破氏(2020年 ロイター/Issei Kato)

自民党の石破茂元幹事長は1日の記者会見で、自民党総裁選に立候補すると正式に表明した。喫緊の課題は新型コロナ対応とし、必要に応じて「新型コロナウイルス特別措置法」を改正する考えも示した。

石破氏は「納得と共感」をスローガンに掲げ、実現に向け最大限努力すると強調した。党員投票を省略して両院議員総会で選出する総裁選の実施方式となったことに関しては「党員の皆様に投票資格が与えられないのは残念」と述べた。

ポストアベノミクス展開では、デフレに逆戻りしないマクロ経済政策の骨格を維持しつつ、1)潜在成長率の引き上げ、2)格差是正、3)デジタル技術革新や基盤整備、4)人材強化などを打ち出した。

コロナ禍の直撃で「グローバル経済はしばらく停滞せざるを得ない。経済か感染拡大防止の『二者択一』ではなく、両立を目指す」とし、税負担軽減を含む経済支援や機動的な財政出動で経済を支える考えも併せて示した。消費税減税を巡っては「消費税の必要性は高く認める。単に税率下げればいいわけでない」と述べるにとどめた。

外交・安全保障分野では「日米関係がわが国の基軸」との考えをあらためて示した。陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」のような機能は「今後とも必要」との考えも示した。

一方、石破氏は「香港問題は一国二制度の否定。中国による香港への対応は深刻に認識していかなければいけない。どう対応するか議論すべきだ」とも語った。

(中川泉、山口貴也)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・風雲急を告げるポスト安倍レース 後継候補の顔ぶれは?
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・「アベノミクスは買い」だったのか その功罪を識者はこうみる
・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる


20200908issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年9月8日号(9月1日発売)は「イアン・ブレマーが説く アフターコロナの世界」特集。主導国なき「Gゼロ」の世界を予見した国際政治学者が読み解く、米中・経済・テクノロジー・日本の行方。PLUS 安倍晋三の遺産――世界は長期政権をこう評価する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベトナム、年明けから最低賃金を7%以上引き上げ

ビジネス

マクロスコープ:円安巡り高市政権内で温度差も、積極

ビジネス

ハンガリー債投資判断下げ、財政赤字拡大見通しで=J

ビジネス

ブラジルのコーヒー豆輸出、10月は前年比20.4%
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 4
    炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし......労働…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 9
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 10
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 8
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中