最新記事

日本政治

自民・石破元幹事長、出馬明言せず 簡素化された総裁選は「党員への侮辱」

2020年8月31日(月)17時46分

自民党の石破茂・元幹事長はロイターの取材に応じ、安倍晋三首相の辞任表明に伴う自民党総裁選に関して党員投票も行うのが当然と述べ、党員投票がなければ党員に対する侮辱だと表現した。写真はインタビューで質問に答える石破氏。8月31日、東京で撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

自民党の石破茂・元幹事長は31日、ロイターの取材に応じ、安倍晋三首相の辞任表明に伴う自民党総裁選に関して党員投票も行うのが当然と述べ、党員投票がなければ党員に対する侮辱だと表現した。総裁選への出馬については明言を避けた。

安倍政権の経済政策「アベノミクス」について、当面急激に変える必要はないと述べた。低所得者層の拡大で可処分所得を引き上げるためには、消費税減税を検討する必要があると述べた。同時に代替財源確保のため、法人税のあり方や社会保障改革の議論が必要とした。現在の日本は、両世界大戦間のドイツのような供給力不足の状態にないため、ハイパーインフレにはならないとの見解を示した。

もっとも、安倍政権で進めてきた法人税減税とゼロ金利政策や円安、現状の低賃金などについて持続可能ではないとの懸念を示した。

報道各社の世論調査で、ポスト安倍として常に首位にあるのは、安倍首相とテイストの違う人求められてためでないかと述べた。

陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」配備計画見直しを受けて安倍政権が検討を始めた敵基地攻撃能力の保有について、いきなり議論するのは論理の飛躍だとしつつ、イージス・アショアは必要との見解を示した。

(竹本能文、梶本哲史、アント二・スロドコフスキ)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・風雲急を告げるポスト安倍レース 後継候補の顔ぶれは?
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・「アベノミクスは買い」だったのか その功罪を識者はこうみる
・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる


20200908issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年9月8日号(9月1日発売)は「イアン・ブレマーが説く アフターコロナの世界」特集。主導国なき「Gゼロ」の世界を予見した国際政治学者が読み解く、米中・経済・テクノロジー・日本の行方。PLUS 安倍晋三の遺産――世界は長期政権をこう評価する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米GDP上方改定受け

ビジネス

追加利下げ必要、リスク均衡にらみ「急がず段階的に」

ビジネス

米ダラス連銀総裁、FRB金利目標の見直し提案 「T

ビジネス

歴代FRB議長ら18人、クック理事解任認めぬよう要
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週にたった1回の「抹茶」で入院することに...米女性を襲った突然の不調、抹茶に含まれる「危険な成分」とは?
  • 2
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市場、売上を伸ばす老舗ブランドの戦略は?
  • 3
    クールジャパン戦略は破綻したのか
  • 4
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び…
  • 5
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 6
    【クイズ】ハーバード大学ではない...アメリカの「大…
  • 7
    中国、ネット上の「敗北主義」を排除へ ――全国キャン…
  • 8
    iPhone17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、Ap…
  • 9
    富裕層のトランプ離れが加速──関税政策で支持率が最…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 5
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 6
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 7
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 8
    「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミ…
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 10
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中