最新記事

人種問題

米ウィスコンシン州、抗議活動の銃撃で2人死亡 17歳少年を逮捕

2020年8月27日(木)09時05分

警察による黒人男性銃撃をきっかけに3日連続で抗議活動が続いている米ウィスコンシン州のケノーシャで25日遅くと26日未明に銃撃があり、少なくとも1人が死亡、2人が負傷した。ケノーシャで25日撮影(2020年 ロイター/BRENDAN MCDERMID)

警官による黒人男性への発砲をきっかけに3日連続で抗議活動が続いている米ウィスコンシン州のケノーシャで25日夜から翌未明にかけて銃撃があり、現地警察によると2人が死亡、1人が負傷した。司法当局によると、17歳の少年が殺人の容疑で逮捕・起訴された。

シカゴの北に位置するケノーシャでは、23日に黒人男性のジェイコブ・ブレークさんが警官に背後から至近距離で複数回撃たれて負傷する事件が起き、人種差別や警察の過剰な行為に対する抗議活動が続いている。

これまでに放火や破壊行為が起きているが、25日夜は、地元商店を警備していると主張する白人中心の武装した自警団とデモ隊が衝突した。

裁判所の資料によると、逮捕・起訴されたのはイリノイ州の17歳少年で、容疑は故意の殺人に適用する第1級殺人。

ソーシャルメディアに投稿された動画によると、ライフルを手にして道路を走る男を群衆が追跡し、群衆の一部はこの男が別の男性を銃で撃ったと叫んでいる。男が道路で転倒した後、1人の追跡者が男を蹴り、別の追跡者が男のライフルをつかもうとすると、男は複数回発砲。男性1人が上半身を撃たれて倒れ、別の男性1人が腕を撃たれたもようだ。

発砲後に群衆が分散すると、男は両手を挙げてライフルを胸に下げた状態で路上を歩き続け、複数のパトカーが男を呼び止めることなく通り過ぎる様子が映っている。

当局はライフルを持った動画の男が、逮捕された17歳の少年だとみているもようだ。

地元警察の声明によると、負傷者1人は重傷で病院に運ばれたが、命はとりとめたとみられる。

容疑者は自身のフェイスブックのページに、別の若者とともにライフルを持って写っている写真を載せ、警察を支持する「Blue Lives Matter」運動の印で写真を囲んでいた。このページはその後削除された。

ケノーシャ郡保安官は記者会見で、抗議デモへの対応で警察を支援する役に任じるようあるグループから求められていたことを明らかにした上で、このグループのメンバーが銃撃に関わった可能性があるとの見方を示した。保安官はグループの要請を断ったとしている。

フェイスブックは26日、地元の自警団を自称し、メンバーに街頭の警備を呼び掛けていた「ケノーシャ・ガード」のページを削除した。

トランプ大統領はツイッターへの投稿で、ウィスコンシン州のエバーズ知事が事態の収拾に向け、連邦治安要員受け入れに応じたと明らかにし、「連邦治安要員と州兵をケノーシャに派遣する。法と秩序を取り戻す!」と述べた。

エバーズ知事はトランプ大統領のコメントを確認していないが、投入可能な州兵の規模を500人に倍増させたと述べた。

民主党大統領候補のバイデン前副大統領は、ブレークさんの家族と話したとした上で、抗議活動での暴力行為を非難した。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・米ウィスコンシン州、警官が黒人男性に発砲し重体 抗議活動で外出禁止令
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
・中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは......?


20200901issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年9月1日号(8月25日発売)は「コロナと脱グローバル化 11の予測」特集。人と物の往来が止まり、このまま世界は閉じるのか――。11人の識者が占うグローバリズムの未来。デービッド・アトキンソン/細谷雄一/ウィリアム・ジェーンウェイ/河野真太郎...他

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日・インドネシア両首脳、エネルギー安保の観点で連携

ビジネス

訂正-デンソーが中計、30年に営業利益率10%以上

ビジネス

エヌビディアのPERが7年ぶり低水準、中東情勢やA

ワールド

焦点:ウクライナ、ドローン迎撃技術輸出の好機 中東
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    アリサ・リュウの自由、アイリーン・グーの重圧
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 8
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 9
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 10
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中