最新記事

2020米大統領選

大統領選で負けても続投する? トランプが「予言」する最悪のシナリオ

Trump Could Lose-And Still Win

2020年7月28日(火)19時10分
ティモシー・ワース(元米上院議員)、トム・ロジャーズ(本誌米国版記者)

トランプは郵便投票で外国政府の不正が行われると「予言」している KEVIN LAMARQUE-REUTERS

<一般投票で負けても居座るために......にわかには信じ難いトランプ続投の巧妙な手口>

11月の米大統領選まで4カ月を切り、民主党の事実上の大統領候補であるジョー・バイデン前副大統領が、ドナルド・トランプ大統領を倒す可能性が高まってきたかに見える。勝敗のカギを握る激戦州でも、トランプの形勢は不利になりつつある。

それでもトランプが大統領の座を維持する方法は、大きく分けて2つある。

第1の方法は投票抑圧だ。有権者登録を難しくしたり、郵便投票(新型コロナウイルス感染症が流行中の今は特に必要とされている)の採用を阻止したり、有権者の市民権に疑いをかけたり、投票所に大行列ができるよう仕組むといった、既に実行に移されつつある戦略だ。

第2の方法は、もっとひどい。こちらは選挙後に起こる可能性のあるシナリオだが、私たちは今からそれを警戒しなければならない。トランプは既に、自分が一般投票に敗北し、十分な数の選挙人の確保にも失敗した場合でも、大統領の座にとどまる仕組みづくりに着手しているのだ。

今年3月、ケーブルテレビ局HBOで『プロット・アゲンスト・アメリカ』という連続ドラマが放送された。フィリップ・ロス原作の小説をベースにした作品で、大統領が国家緊急権の発動という誰も予想し得ない行動に出て、政府を完全に牛耳る物語だ。

だが、ニューヨーク大学法科大学院ブレナン司法センターが2018年に明らかにしたように、実のところアメリカの歴代大統領は、国家安全保障上の危機を理由に、さまざまな場面で国家緊急権を発動してきた。

従ってトランプの再選が危うくなるなか、次のようなシナリオが現実になる可能性は十分あるだけでなく、徐々に高まっている。なぜならトランプは、「負け犬」という大嫌いな烙印を逃れるためなら、文字どおり何でもやると考えられるからだ。

激戦4州に捜査が入る?

具体的なシナリオはこうだ。バイデンが一般投票で勝利し、選挙人を過半数確保する上でカギとなる激戦州アリゾナ、ウィスコンシン、ミシガン、ペンシルベニアでも、それなりの(しかし圧倒的ではない)得票差で勝利する。

するとトランプは、選挙に不正があったと声を上げる。バイデンが勝利した激戦州では、中国が郵便投票に細工をして選挙に不正介入したと言うのだ(実際、トランプは6月22日のツイートで、郵便投票には外国政府が印刷した投票用紙が大量に交ざり込むと「予言」している)。

【関連記事】劣勢明らかなトランプに、逆転のシナリオはあるのか?
【関連記事】米民主主義の危機 大統領選で敗北してもトランプは辞めない

ニュース速報

ビジネス

FRB、利上げよりも「かなり前」に緩和縮小の公算=

ビジネス

JPモルガン、第1四半期利益が5倍増 引当金の戻入

ビジネス

ゴールドマン、第1四半期は大幅増益 SPAC上場・

ビジネス

東芝社長交代、CVC提案前に進退問う動き 車谷氏は

MAGAZINE

特集:日本を置き去りにする デジタル先進国

2021年4月20日号(4/13発売)

コロナを抑え込んだ中国デジタル監視の実態。台湾・韓国にも遅れた日本が今すべきこと

人気ランキング

  • 1

    青色の天然着色料が発見される

  • 2

    ビットコインが、既に失敗した「賢くない」投資である理由

  • 3

    日本だけじゃない...「デジタル後進国」のお粗末過ぎるコロナ対策

  • 4

    ミャンマー市民が頼るのは、迫害してきたはずの少数…

  • 5

    ギネスが認めた「世界最高齢の総務部員」 勤続65年、9…

  • 6

    ピザの注文から出願大学まで、フェイスブックが僕に…

  • 7

    米フロリダ州に座礁したクジラは新種だった

  • 8

    ヘビ? トカゲ? 進化の過程で四肢をなくし、再び…

  • 9

    半月形の頭部を持つヘビ? 切断しても再生し、両方…

  • 10

    中国製ワクチン、輸出量は既に1億1500万回分だが....…

  • 1

    緑豊かな森林が枯死する「ゴーストフォレスト」が米国で広がっている

  • 2

    青色の天然着色料が発見される

  • 3

    カミカゼ・ドローンで戦況は一変 米軍「最強」の座も危うい

  • 4

    硬貨大のブラックホールが地球を破壊する

  • 5

    ミャンマー市民が頼るのは、迫害してきたはずの少数…

  • 6

    北米からシカの狂牛病=狂鹿病が、世界に広がる......

  • 7

    洪水でクモ大量出現、世界で最も危険な殺人グモも:…

  • 8

    ビットコインが、既に失敗した「賢くない」投資であ…

  • 9

    日本だけじゃない...「デジタル後進国」のお粗末過ぎ…

  • 10

    あなたが仕事を始めないのは「やる気が出るのを待って…

  • 1

    太平洋上空の雲で史上最低気温、マイナス111度が観測される

  • 2

    観測されない「何か」が、太陽系に最も近いヒアデス星団を破壊した

  • 3

    国際宇宙ステーションで新種の微生物が発見される

  • 4

    「夜中に甘いものが食べたい!」 欲望に駆られたとき…

  • 5

    30代男性が急速に「オジサン化」するのはなぜ? やり…

  • 6

    EVはもうすぐ時代遅れに? 「エンジンのまま完全カー…

  • 7

    孤独を好み、孤独に強い......日本人は「孤独耐性」…

  • 8

    ブッダの言葉に学ぶ「攻撃的にディスってくる相手」…

  • 9

    カミカゼ・ドローンで戦況は一変 米軍「最強」の座…

  • 10

    硬貨大のブラックホールが地球を破壊する

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

投資特集 2021年に始める資産形成 英会話特集 Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メンバーシップ登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら
World Voice

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中

STORIES ARCHIVE

  • 2021年4月
  • 2021年3月
  • 2021年2月
  • 2021年1月
  • 2020年12月
  • 2020年11月