最新記事

文化比較

日本人とアラブ人が考える「理想の仕事」の違い

2020年7月11日(土)15時10分
アルモーメン・アブドーラ(東海大学教授)

アラブ人サラリーマンの仕事ぶりのここが違う!

アラブ人の仕事に対する感覚とその特徴は、どのようなものなのか。日本人と比較しながら考えてみると、次のような20の特徴があげられる。

1. 常に弁解がましく言い訳
日本人は自分のミスであっても、または相手の非によるものであってもすぐに顧客や上司に対して謝ることに徹する。先に謝ることはベストな方法だと考えられているそうだ。たとえ言い訳があっても、それを言わずにただただ謝ることができるのが日本のサラリーマンの誠心誠意の流儀である。ただ、日本語の「謝り」は感謝表現の一種ということも。一方、アラブ人は正反対で、謝るのが不得意である。プライドが高いためか、謝ることを避けるべく、弁解がましく言い訳とも取れる釈明を帯びた謝り方をよくする。

2. 長期の休みは必須
どんな状況でもロングバケーションを取るのは禁物!という感覚を持つ日本人とは正反対に、アラブ人には長期の休みを取るのが権利の一つだと考える人が多い。日本人のように「常に周りの人のことを考えることを大切に、休暇を取ろう」という志向もあるが、日本人ほどではない。

3. 始業時刻にルーズ、終業時刻は正確
世界を見渡してみると、時間に厳しい文化もあれば、時間に緩い文化もある。その違いはどこから来るのだろうか。例えば、あなたがアラブ地域や南米の出身者と会う約束をすると、彼らは時間に遅れてくることがままある。ただ、会議や仕事などを終える時間に関しては割と守る方だ。一方、日本人は時間にはかなり厳格だが、終業時刻も厳守かといえばそんなことはなく、5時が定刻なら7時に帰っていく......。プライベート時間重視型のライフスタイルという考え方は毛頭ない。

その他の特徴も併せて、以下のように日本人とアラブ人のサラリーマンの仕事への感覚と特徴を対照表にまとめてみた。

almo200711-chart01.jpg

<関連記事:「自粛」という言葉の向こうに見えてくる日本人独特のマインド

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スターマー英首相私邸で不審火、建物一部損傷 ロンド

ビジネス

午前の日経平均は続伸、3万8000円回復 米中摩擦

ワールド

新ローマ教皇がゼレンスキー氏と電話、外国首脳と初対

ワールド

エジプト、スエズ運河通行料を割引へ フーシ派攻撃で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 3
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映った「殺気」
  • 4
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 5
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 6
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 7
    「がっかり」「私なら別れる」...マラソン大会で恋人…
  • 8
    「出直し」韓国大統領選で、与党の候補者選びが大分…
  • 9
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 10
    ハーネスがお尻に...ジップラインで思い出を残そうと…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 7
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..…
  • 10
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中