最新記事

感染症対策

米ファイザーと独ビオンテック、コロナワクチン大規模治験開始 早ければ年内に1億本供給へ

2020年7月28日(火)10時45分

米製薬大手ファイザーと独バイオ医薬のビオンテックは7月27日、共同開発中の最も有望な新型コロナウイルスワクチン候補について世界各地で大規模な臨床試験(治験)を開始すると発表した。写真はイラストレーション、4月10日撮影(2020年 ロイター/Dado Ruvic)

米製薬大手ファイザーと独バイオ医薬のビオンテックは27日、共同開発中の最も有望な新型コロナウイルスワクチン候補について世界各地で大規模な臨床試験(治験)を開始すると発表した。

治験で有効性が確認されれば、両社は早ければ10月に規制当局への申請を行う可能性があり、年内に最大1億本、2021年末までに13億本を供給するのに道が開かれるとみられる。

両社のワクチンは免疫反応を引き起こすために1人に対し2回の接種を行うため、1億本のワクチンを受けられる人数は約5000万人となる。

治験は世界の約120カ所で最大3万人を対象に実施するとみられる。新型コロナ感染が深刻な地域が含まれる。

最も有望なワクチンは「BNT162b2」と呼ばれ、その他のワクチン候補は初期の治験で除外された。

ファイザーは既に、米政府にワクチン1億本を供給する契約を結んでおり、5億本を追加供給する可能性もある。欧州連合(EU)などともワクチン供給を巡り協議を進めている。

米バイオ医薬大手モデルナもこの日、開発中のコロナワクチンについて、3万人を対象とする後期治験を開始したと発表した。

米医薬品・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も今週、コロナワクチンの治験を開始する。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・新型コロナウイルス、患者の耳から見つかる
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・がんを発症の4年前に発見する血液検査
・これは何? 巨大な黒い流体が流れる様子がとらえられる


20200804issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年8月4日号(7月28日発売)は「ルポ新宿歌舞伎町 『夜の街』のリアル」特集。コロナでやり玉に挙がるホストクラブは本当に「けしからん」存在なのか――(ルポ執筆:石戸 諭) PLUS 押谷教授独占インタビュー「全国民PCRが感染の制御に役立たない理由」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

各国の新気候計画、世界の温室効果ガス排出が減少に転

ビジネス

三菱重やソフトバンクG、日米間の投資に関心表明 両

ワールド

日中外相が電話会談、ハイレベル交流は関係発展に重要

ビジネス

野村HD、7―9月期純利益921億円 株式関連が過
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大ショック...ネットでは「ラッキーでは?」の声
  • 3
    「平均47秒」ヒトの集中力は過去20年で半減以下になっていた...「脳が壊れた」説に専門家の見解は?
  • 4
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 5
    楽器演奏が「脳の健康」を保つ...高齢期の記憶力維持…
  • 6
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 7
    「死んだゴキブリの上に...」新居に引っ越してきた住…
  • 8
    中国のレアアース輸出規制の発動控え、大慌てになっ…
  • 9
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 10
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中