最新記事

米株高

アメリカ株は史上最大の下げから史上最大の上げに転じる?

US Equities Rise, Adding To Friday’s Rally On Optimism Over Economy Reopening

2020年6月9日(火)17時40分
パラシュ・ゴシュ

感染予防のマスクをして売り買いをするニューヨーク証券取引所のトレーダー(5月26日) Brendan McDermid-REUTERS

<雇用統計が市場予想を1000万人も上回るという意外な結果に、8日のナスダックは過去最高値を更新。新型コロナの感染拡大ももう怖くなくなった?>

米株式相場は2020年6月8日金曜からさらに続伸した。予想外に好調だった米雇用統計に後押しされ、新型コロナウイルスからの回復が早まるのではないかという期待から上昇した。

8日終値は、ダウ・ジョーンズ工業株30種平均が前週末比で461.46ドル高い2万7572.44ドル。また、S&P500社株価指数は38.46ポイント高い3232.39ポイント、ナスダック総合株価指数にいたっては110.664ポイント上げて9924.745ポイントと最高値を更新した。

この株高の原因は何といっても先週金曜に米労働省が発表した雇用統計だ。それによれば5月には、非農業部門の雇用者数が前月比で250万人増加した。市場の事前予想では800万人減少とされていたから、1000万人も上振れた事になる。お祭り騒ぎになっても不思議はない。

<参考記事>「世界最多の新型コロナ感染者数」それでもアメリカの覇権が続く理由

感染拡大は続くが

「業界のコンセンサスがさらなる大幅減少だったことを思えば、今回の回復は、経済活動はわれわれの予想よりも急速かつ勢いよく回復しているという見方を補強している。今週明らかになったほかのマクロデータも同じ方向を示している」と、コンサルティング会社キャピタル・エコノミクスのアメリカ担当シニアエコノミスト、マイケル・ピアースは指摘する。

その一方で、新型コロナウイルスの感染者数は世界全体で700万人を超え、死者数も合計で40万3000人を突破した。ドイツ鉱工業生産指数は4月、前月比で17.9%マイナスとなり、史上最大の低下率を記録した。

アメリカの雇用が250万人増加したといっても、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウンで2月以降に失われた4000万人の雇用に比べればごく一部に過ぎない。しかし、アメリカの一部のアナリストたちは、急速に楽観的な見方に傾いている。

「史上最速で弱気相場に転じたあとは、史上最大の劇的な回復が起こりそうだ」と、チャイキン・アナリティクスの最高経営責任者マーク・チャイキンは言う。「新型コロナウイルスはいくつかの州でまだ感染拡大している。しかし投資家は楽観的に、12カ月〜18カ月先の将来を見据えている」

<参考記事>いつになったら経済は元に戻るのか──景気回復への長くて遠い道のり

20200616issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月16日号(6月9日発売)は「米中新冷戦2020」特集。新型コロナと香港問題で我慢の限界を超え、デカップリングへ向かう米中の危うい未来。PLUS パックンがマジメに超解説「黒人暴行死抗議デモの裏事情」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

レバノン各地でイスラエルの空爆、首都中心部にも直撃

ワールド

中東紛争でLNG供給停滞、アジアは石炭へ回帰

ビジネス

JBIC、日鉄のUSスチール買収に37億ドル 総額

ビジネス

JPモルガン、英利下げ時期の予想先送り エネルギー
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 3
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在の価値でどれくらい? 誰が何のために埋めた?
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 6
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 7
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 8
    「危険な距離まで...」豪ヘリに中国海軍ヘリが異常接…
  • 9
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 10
    モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」.…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 3
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 7
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 8
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 9
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 10
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中