最新記事

感染症対策

政府専門家会議「再度感染まん延しないよう長丁場の前提必要 学校再開は感染リスク低減のうえで検討」

2020年5月1日(金)18時43分

新型コロナウイルスに関する政府の専門家会議のメンバーは1日記者会見し、緊急事態宣言発出後の感染拡大状況について、新規感染者数は減少傾向にあるものの、再度感染がまん延しないよう「長丁場の前提」が必要との見解を示した。写真は新型コロナの軽症者受け入れを決めた都内のホテル。5月1日撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

新型コロナウイルスに関する政府の専門家会議のメンバーは1日記者会見し、緊急事態宣言発出後の感染拡大状況について、新規感染者数は減少傾向にあるものの、再度感染がまん延しないよう「長丁場の前提」が必要との見解を示した。「今の取り組みが必要」として、外出自粛などの長期化が望ましいと指摘した。

緊急事態宣言の延長可否については明言を避ける一方、学校については再開準備が望ましいと提言。感染防止のための経済活動縮小のインパクトは分析できないとして経済専門家の知見が必要と指摘した。

学校再開検討必要

副座長の尾身茂氏(地域医療機能推進機構理事長)は大きな傾向として新規感染者数は減少していると指摘した。しかし、東京と比較して全国では減少ペースが緩やかで、東京から地方への移動が影響している可能性があると分析。北海道のように一旦減少した新規感染者数が再度増加する可能性もあると警告した。

また「終息のスピードが期待ほどではない、医療提供体制が十分でない地域がある」「感染の状況厳しい地域と感染者数が限定的となった地域が混在している」とコメントした。

専門家会議メンバーの西浦博・北海道大学大学院教授も「東京・大阪と隣接府県との移動は減少幅が相対的に少ない」と懸念を示した。

尾身氏は「再度のまん延が生じないよう長丁場の前提が必要」と強調。緊急事態宣言の実施期間の延長可否に関連し「延長するとは言っていない。今のような取り組みを続けた方がいいと言っている」とコメントした。

休業が続く学校の再開に関し「学校での感染リスクを低減した上で、学校再開について検討する必要がある」と強調した。

また経済活動縮小の影響について、尾身氏は「専門家の委員会に経済専門家がおらず経済インパクトの判断は能力を超えている」と述べ、委員会への経済専門家の参加を提案したと明らかにした。

(竹本能文、浜田寛子 編集:青山敦子 ※ )

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・「中国製の人工呼吸器は欠陥品」イギリスの医師らが政府に直訴状
・韓国そして中国でも「再陽性」増加 新型コロナウイルス、SARSにない未知の特性
・東京都、新型コロナウイルス新規感染46人確認 都内合計4152人に
・新型コロナウイルス感染症で「目が痛む」人が増えている?


20050512issue_cover_150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豪CPI、1月は前月比0.4%上昇 コアインフレ加

ビジネス

1月企業向けサービス価格、前年比2.6%上昇 前月

ワールド

中国春節の9連休、国内旅行と消費支出を押し上げ

ビジネス

グーグル、データセンター向けに米電力会社2社と契約
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    3頭のクマがスキー客を猛追...ゲレンデで撮影された…
  • 5
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 8
    「極めて危険」──ゼレンスキー、ロシアにおける北朝…
  • 9
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 10
    武士はロマンで戦ったわけではない...命を懸けた「損…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 10
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中