最新記事

感染症

医療従事者の新型コロナウイルス感染は世界で9万人超=国際看護師協会

2020年5月7日(木)09時56分

国際看護師協会(ICN)は6日、全世界で少なくとも9万人の医療従事者が新型コロナウイルスに感染したとの見方を示した。写真は4月、バンコクの病院で新型コロナウイルス感染者の治療にあたる看護師ら(2020年 ロイター/Athit Perawongmetha)

国際看護師協会(ICN)は6日、全世界で少なくとも9万人の医療従事者が新型コロナウイルスに感染したとの見方を示した。ただ、医療現場で感染予防マスクなどの不足が続くなか、実際の医療従事者の感染はこの2倍に達している可能性があるという。

ICNによると、新型コロナ感染症で死亡した看護師は260人を上回った。1カ月前は100人としていた。

ICNのトップ、ハワード・カットン氏はロイターテレビの取材に対して、9万人という医療従事者の感染数は、30カ国の看護団体や政府データ、メディア報道に基づく推計で、全ての国の感染数が含まれているわけではないことから、実際はこれよりも多いとの見方を示した。

ICNは130の看護団体を代表し、2000万人以上の看護師が登録している。

全世界で350万人の新型コロナの感染が報告されていることを踏まえ、ICNが推計する看護師の感染率6%を基に計算すると、全世界で20万人以上の看護師が感染している可能性があると指摘している。

カットン氏は、各国政府は医療現場での感染データの収集や報告を体系的に行っておらず、医療従事者の感染問題を見て見ぬふりをしているようだと指摘。こうした状況は受け入れられず、今後より多くの犠牲者を出す恐れがあるとの見方を示した。

[ジュネーブ ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・東京都、新型コロナウイルス新規感染38人確認 4日連続で減少続く
・「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に
・日本とは「似て非なる国」タイのコロナ事情
・トランプ「米国の新型コロナウイルス死者最大10万人、ワクチンは年内にできる」


20050512issue_cover_150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン氏、ウクライナと協議継続の用意表明 交渉担

ワールド

イスラエル軍法務総監、ガザ配給所の発砲巡り戦犯調査

ワールド

イスラエル、対イラン「強制執行計画」準備 国防相が

ワールド

エストニアの核搭載可能戦闘機受け入れ表明、ロシアに
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 2
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急所」とは
  • 3
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 4
    富裕層が「流出する国」、中国を抜いた1位は...「金…
  • 5
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事…
  • 6
    伊藤博文を暗殺した安重根が主人公の『ハルビン』は…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    【クイズ】北大で国内初確認か...世界で最も危険な植…
  • 9
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 10
    中国軍事大学が特殊任務向け「蚊サイズ」ドローンを…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 4
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 7
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 8
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 9
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 10
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中