最新記事

パンデミック

アジアの新型コロナウイルス感染25万人突破 感染ペースは欧州・北米より緩慢

2020年5月6日(水)11時51分

ロイターの集計によると、アジアの新型コロナウイルス感染者数が25万人を突破した。インドのコルカタ郊外で撮影(2020年 ロイター/RUPAK DE CHOWDHURI)

ロイターの集計によると、アジアの新型コロナウイルス感染者数が25万人を突破した。日本や中国、韓国では感染ペースが鈍化している一方、シンガポールやパキスタン、インドでの感染拡大が目立つ。

1月に中国・湖北省武漢で初のケースが報告されてから、アジアの新型コロナ感染者数は約4カ月で25万人に達した。2カ月強で同水準に至ったスペインに比べ、アジアでの感染ペースは比較的緩やと言える。

アジアの感染者総数は累計25万0372人と、世界の感染者数の7%を占める。欧州の40%、北米の34%に比べると比率は大幅に低いが、報告されていないケースが多く存在する可能性があるとも懸念される。

アジア全体での新型コロナ感染症による死者は1万人弱で、世界の死者の約4%にとどまる。欧州は57%、北米は29%。スペイン、イタリア、英国、フランス各国の死者はいずれも2万5000人を突破し、米国では約7万人の死者が出ている。

韓国で過去24時間に確認された新規感染者はわずか3人。ピーク時だった2月終盤の1日の新規感染者は約1165人だった。専門家は韓国が「経済活動をまひさせることなく感染を抑制した」と評価する。

日本では過去1週間、新規感染者は1日約200人のペースにとどまっている。

中国でも過去1週間に確認された新規感染者は少数で、累計の感染者は8万3000人以下に抑制されている。

一方、インドでは過去数日に2000人超の新規感染者が確認され、感染者は累計4万6000人、死者は1500人に上っている。

パキスタンでも1日当たりの新規感染者は過去1週間で増加傾向にある。累計の感染者は2万1000人、死者は約500人。

シンガポールでは、1日に500─800人の新規感染が確認され、累計では1万9410人。ただ、死者は18人にとどまっている。

また、オーストラリアやニュージランドを含むオセアニアの感染者数は世界全体の約1%にとどまっている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・東京都、新型コロナウイルス新規感染58人確認 3日連続で減少続く
・日本とは「似て非なる国」タイのコロナ事情
・「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に
・トランプ「米国の新型コロナウイルス死者最大10万人、ワクチンは年内にできる」


20050512issue_cover_150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、156円台前半 FRB政策

ワールド

米下院特別委、中国軍の台湾周辺演習を非難 「意図的

ワールド

仏独英、中国の台湾周辺軍事演習に懸念表明 一方的な

ワールド

サウジ、イエメン南部の港を空爆 UAE部隊撤収を表
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中