最新記事

感染症対策

「感染経路不明」を潰すため米各州が「接触追跡官」を数千人単位で募集

U.S. Needs Thousands of Contact Tracers, Here's What It Takes to Become One

2020年4月28日(火)17時45分
ジェニ・フィンク

感染経路追跡アプリの開発も進んでいるがそれを使う人間もいる Bill Oxford/iStock.

<感染経路不明という「地雷」を除去するために、アメリカの各州が「接触追跡官」の大量公募を開始した。これからは公衆衛生を守る人員を増やす時代だ>

新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するために、アメリカの一部の都市や州では、感染者と接触した人々を特定するための「追跡部隊」を募集している。

接触追跡には時間がかかる。まずは、新型コロナウイルスへの感染が確認された人と接触した可能性がある人々を特定。その後、それらの人々を隔離して症状が出ないかどうかを観察し、それ以上の感染拡大を防ぐことを目指すという流れだ。

ニューヨークのビル・デブラシオ市長は4月27日、1000人の接触追跡担当者を緊急募集すると発表。追跡作業に手を貸してもいいと考えている人は是非応募して欲しいと述べ、「今すぐに皆さんの手助けが必要だ」と呼びかけた。

同市の保健当局と連携している非営利団体の「ニューヨーク公衆衛生基金」は、ウェブサイトに募集要項を掲載。職種は2種類で、公衆衛生アドバイザーⅠ(年俸は5万7000ドル)と公衆衛生アドバイザーⅡ(同6万2000ドル)だ。公衆衛生アドバイザーⅡの方が高い学歴と経験が求められ、またどちらの職種についても、ニューヨーク市民を優先的に採用すると説明している。

応募条件は大学の学位か現場経験

「公衆衛生アドバイザーⅠ」に応募する人は、認可を受けた大学で学士号を取得している(衛生学、または保健科学・社会科学・生物科学のいずれかが必修)か、感染経路の追跡分野で最低6カ月のフルタイムの現場経験があると望ましい。大学の学位は必須ではないが、高卒の人またはそれと同等の学歴の人は、4年間のフルタイムでの現場経験がなければならない。

「現場経験」とは、聞き取り調査や実地調査、健康リスクの評価、疫学データの収集・分析の経験など。

「公衆衛生アドバイザーⅡ」に応募する人は、物理科学・生物科学・環境科学または公衆衛生の中の職務に適した分野について、修士号を取得していなければならない。学士号のみの人は18カ月のフルタイムの現場経験、高卒の人は6年間のフルタイムの現場経験が必要だ。

どちらの職務も在宅で行い、電話での聞き取り調査をして、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)と確認された人の接触履歴を追跡する仕事だ。入手した情報をデータシステムに入力し、必要であれば直接会って調査を行うことも求められる。

<参考記事>日本が韓国の新型コロナウイルス対策から学べること ──(3)情報公開
<参考記事>WHO「日本は経路不明の新型コロナウイルス感染増で対策強化の必要も」

ニュース速報

ビジネス

米FRB、経済活動はなお順調 支援策撤回に向けた議

ビジネス

華為やZTE、「米救済計画法」の適用除外を 上院議

ビジネス

米ロ、核軍縮協議再開 9月会合開催で合意=米国務省

ビジネス

米、連邦政府機関内でのマスク着用指示 コロナ感染拡

MAGAZINE

特集:モデルナの秘密

2021年8月 3日号(7/27発売)

コロナワクチンを高速開発したベンチャー企業モデルナの正体とmRNA治療薬の可能性

人気ランキング

  • 1

    1匹だけみにくい子猫、病気と思ったら「オオカミ」だった

  • 2

    チベットの溶ける氷河から、約1万5000年前の未知のウイルスが発見される

  • 3

    競泳界の「鉄の女」が水の上を歩く奇跡の一枚

  • 4

    「競技用ショーツが短すぎて不適切」英パラ代表選手…

  • 5

    毛玉のお化け、安楽死を逃れ生まれ変わる

  • 6

    人間のオモチャにされたイルカ死ぬ──野生動物に触る…

  • 7

    ワクチンが怖い人にこそ読んでほしい──1年でワクチン…

  • 8

    【英国から見る東京五輪】タイムズ紙は開会式を「優…

  • 9

    肩こりや腰痛に悩む人がハマる大きな失敗 「姿勢をよ…

  • 10

    知らぬ間に進むペットのコロナ感染 感染者と同居の…

  • 1

    1匹だけみにくい子猫、病気と思ったら「オオカミ」だった

  • 2

    「無駄に性的」罰金覚悟でビキニ拒否のノルウェー女子ビーチハンド代表

  • 3

    「競技用ショーツが短すぎて不適切」英パラ代表選手、審判の指摘に絶句

  • 4

    加害と向き合えない小山田圭吾君へ──二度と君の音楽…

  • 5

    「三国志」は日本人も中国人も大好き(でも決定的な…

  • 6

    チベットの溶ける氷河から、約1万5000年前の未知のウ…

  • 7

    東京五輪は始まる前から失敗していた

  • 8

    国際交流を奪われた悲しき五輪で角突き合わせる日本…

  • 9

    競泳界の「鉄の女」が水の上を歩く奇跡の一枚

  • 10

    肩こりや腰痛に悩む人がハマる大きな失敗 「姿勢をよ…

  • 1

    1匹だけみにくい子猫、病気と思ったら「オオカミ」だった

  • 2

    加害と向き合えない小山田圭吾君へ──二度と君の音楽は聴きません。元いじめられっ子からの手紙

  • 3

    20万円で売られた14歳日本人少女のその後 ──「中世にはたくさんの奴隷がいた」

  • 4

    「無駄に性的」罰金覚悟でビキニ拒否のノルウェー女…

  • 5

    「1日2個、カットしてスプーンで食べるだけ」 メンタル…

  • 6

    人間のオモチャにされたイルカ死ぬ──野生動物に触る…

  • 7

    「競技用ショーツが短すぎて不適切」英パラ代表選手…

  • 8

    韓国で、日本製バイクの販売が伸びている理由

  • 9

    テスラ6月に発売した新型「モデルS」運転中に発火=所…

  • 10

    ある日突然「人工透析です」と告げられたら? 高血圧、…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

投資特集 2021年に始める資産形成 英会話特集 Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メンバーシップ登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら
World Voice

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中

STORIES ARCHIVE

  • 2021年7月
  • 2021年6月
  • 2021年5月
  • 2021年4月
  • 2021年3月
  • 2021年2月