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感染症対策

韓国、新型コロナ自宅隔離者の無断外出が続出 犯罪者のような電子リストバンド装着へ

2020年4月16日(木)11時50分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

感染者検査数に偽りあり?

今回の新型コロナウイルス感染拡大では、韓国は様々なオリジナルの検査方法などを生み出し、それは「韓国モデル」と呼ばれるほど世界中から注目を浴びることとなった。今回の安心バンドでの隔離違反者管理システムも、すでにイタリアの日刊紙La Repubblicaが取り上げその効果に注目していると報道している。数週間後その効果が発揮できれば、また日本や各国で大きく報道されることとなるだろう。

また検査数の多さも世界を驚かせている。韓国疾病管理本部は13日基準で検査件数を51万4621名と発表していたが、実際はそれよりはるかに多い86万 1216名であったことが報告された。13日行われた中央防疫対策本部チョン・ウンギョン本部長のブリーフィングによると、統計は疾病情報統合システムから報告された、疑わしい患者や症状が出ている検査対象者の数であり、医療機関や保健所からの申告件数を収集しているため、すでに感染が確定された患者などに対する調査件数は除いた統計を発表していたという。韓国全体の検査件数は日本をはるかにしのぐ件数行っていたこと示しながら、さらに積極的に国民の検査を行うとブリーフィングを締めくくっている。

疑わしきは即検査

医療崩壊を懸念し、数日間は家で様子を見るなどをすぐに検査を行わない日本の正反対を行く韓国は、疑わしきは即検査をして対処する方針だ。どちらが吉と出るかは、このコロナパニックが収まった後、専門家が調査し決めてくれる事だろう。

何を実行するにも、疑問視する声や反対意見は必ず寄せられる。しかし、そこで屈せずに「ダメもとでもとりあえずやってみる」と推し進める力が、韓国独特のドライブスルー方式やボックス型検査場など、ユニークな封じ込め方法を生み、それが結果的に感染拡大の抑制に繋がっているように見える。

そして何より「何とかしたい」という姿勢を見せることによって、一部の不心得者は別として、国民全員が一丸となり協力する気持ちを生んでいるのではないだろうか。


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