最新記事

感染症

欧州疾病センター「新型コロナウイルス、喫煙者に重症化リスク」

2020年3月26日(木)09時19分

欧州連合(EU)の専門機関、欧州疾病予防管理センター(ECDC)は25日、喫煙者、および以前に喫煙していた人が新型コロナウイルスに感染すると症状が重くなる恐れがあるとする研究結果を報告した。シドニーで2017年5月撮影(2020年 ロイター/JASON REED)

欧州連合(EU)の専門機関、欧州疾病予防管理センター(ECDC)は25日、喫煙者、および以前に喫煙していた人が新型コロナウイルスに感染すると症状が重くなる恐れがあるとする研究結果を報告した。

ECDCは、喫煙者、および以前喫煙していた人が新型ウイルスに感染すると呼吸障害が出やすくなるとし、こうした人達を高リスクグループに含めることを推奨している。

ECDCは南カリフォルニア大学の研究結果を引用し、新型ウイルス(SARS─CoV2)がヒト細胞に感染する際に利用するアンジオテンシン変換酵素II(ACE2)が喫煙により肺の中で活性化するため、喫煙者が感染すると重症化する恐れがあると指摘。ACE2は加齢のほか、高血圧の一部治療法によっても活性化するため、これらもともにリスク要因になるとした。

また、ACE2は現在喫煙している人よりも、以前に喫煙していた人の方が活性化している可能性があるとも報告した。

ECDCはこのほか、中国では感染者の80%が軽症だったが、欧州ではこの比率が70%と報告。欧州では感染者10人に3人の割合で入院が必要になっているとした。

さらに、年齢が70歳以上で、高血圧、糖尿病、心血管系疾患などの基礎疾患を持っている人が新型ウイルスに対し最も抵抗力が弱いと指摘。女性よりも男性の方がリスクが高いとも報告した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・アメリカ、新型コロナウイルス感染3.3万人・死者400人に倍増 全米の半分近くが外出禁止に
・新型コロナウイルスは恐れを知らない若者にも感染し、重症化する
・日本で新型コロナの死亡率が低いのは、なぜなのか?


20200331issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月31日号(3月24日発売)は「0歳からの教育 みんなで子育て」特集。赤ちゃんの心と体を育てる祖父母の育児参加/日韓中「孫育て」比較/おすすめの絵本とおもちゃ......。「『コロナ経済危機』に備えよ」など新型コロナウイルス関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米バークシャー、アルファベット株43億ドル取得 ア

ワールド

焦点:社会の「自由化」進むイラン、水面下で反体制派

ワールド

アングル:ルーブルの盗品を追え、「ダイヤモンドの街

ビジネス

NY外為市場=ドル、対円で横ばい 米指標再開とFR
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 7
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 8
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 9
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 10
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中