最新記事

トレンド

マスクが「必須のアクセサリー」になる時代、NYファッションショーにも登場

Masks Are Wellness Now

2020年3月13日(金)13時30分
シャノン・パラス(科学ジャーナリスト)

ニューヨーク・ファッション ウイークでもマスクを着けたモデルが登場した ROY ROCHLIN/GETTY IMAGES FOR NYFW

<東アジアの文化に根付いていたマスクは、今や世界各国で品切れ状態に。時代を象徴するアイテムに昇格し、ついにランウェイに「マスクファッション」が登場した。本誌3月17日号の特集「感染症vs人類」より>

今やマスクは時代の象徴だ。mag20200317coversmall.jpg新型コロナウイルスの感染拡大はもちろん、世界各地で森林火災が多発するなど、黙示録的な光景が広がっているせいだろう。

台湾系アメリカ人のジャーナリストであるジェフ・ヤンは6年前、東アジアでは1918年にインフルエンザが世界的に流行して以降、医療用だったマスクが一般にも使われるようになったと指摘した。

「汚染された空気を避けるために顔を覆う傾向は、病気を引き起こすのは病原菌だという理論が広まる前から、東アジアの文化に根付いていた」と、彼は書いた。

ヤンは、いずれマスクの着用にはさまざまな意味合いが加わり、「マスクファッション」が人気になると予測した。それが今、現実のものになっている。

2月中旬に行われたロンドン・ファッションウイークでは、おしゃれなサージカルマスクを着けて参加した人たちがいた。ニューヨーク・ポスト紙はマスクが「必須のアクセサリー」になったと書いた。

ニューヨーク・ファッションウイークでも、昨年と今年はランウェイの内外にマスクが目立った。米人気バラエティー番組『サタデー・ナイト・ライブ』の2月1日の回では、出演者のボーエン・ヤンがバーバリー・チェックのマスクを着けて登場した。

だが多くの健康グッズと同じく、マスクの効果は個人や状況によって大きく違う。各地のファッションショーで見られたようなマスクは、医療グッズというより全くのファッションアイテムに思えたが、着用していた人たちにとっては健康を守ることが目的だったかもしれない。

しかし多くの専門家が指摘するように、マスクでウイルス感染は防げない。微粒子の95%以上を捉えるN95マスクでも、新型コロナウイルスの感染を完璧には予防できない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英中銀が金利据え置き、量的引き締めペース縮小 長期

ワールド

台湾中銀、政策金利据え置き 成長予想引き上げも関税

ワールド

UAE、イスラエルがヨルダン川西岸併合なら外交関係

ワールド

シリア担当の米外交官が突然解任、クルド系武装組織巡
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中