最新記事

新型コロナウイルス

WHO「新型コロナウイルスの抗ウイルス薬、数週間以内に臨床試験結果」

2020年2月13日(木)09時05分

 2月12日、世界保健機関(WHO)の研究フォーラムで共同議長を務めたマリーポール・キニー氏は、新型コロナウイルスについて、中国の科学者が2つの抗ウイルス薬の治験を行っており、数週間以内に予備的な臨床試験の結果が出るとの見通しを示した。11日スイスで撮影。(REUTERS/Denis Balibouse)

世界保健機関(WHO)の研究フォーラムで共同議長を務めたマリーポール・キニー氏は12日、新型コロナウイルスについて、中国の科学者が2つの抗ウイルス薬の治験を行っており、数週間以内に予備的な臨床試験の結果が出るとの見通しを示した。

キニー氏は元WHOのウイルス学者。2日間にわたってスイスのジュネーブで科学者・研究者300人以上を集めた非公開の研究フォーラムを開催し、共同議長を務めた。中国や台湾の学者もオンラインでフォーラムに参加したという。

同氏は会見で「すべての臨床試験を同じ基準で行い、同じ結果が出るよう、現在、手続きの定義を進めているが、中国の学者が強い関心を示している」と発言。

正確な人数はわからないものの、かなりの数の患者が、すでに抗ウイルス薬「リトナビル」と「ロピナビル」を併用投与されているという。

同氏は「この療法に効果があれば素晴らしい。この薬はHIV治療薬としてジェネリック製剤が開発されており、明らかに入手可能だ」と述べた。

このHIVの併用療法は米製薬大手アッヴィが「カレトラ配合錠」として販売している。

同氏によると、この治療法に効果があるかは現時点でわかっておらず「数日もしくは数週間待つ必要がある」という。

また中国国営の研究所は先週、米製薬大手ギリアド・サイエンシズのエボラ出血熱の治験薬「レムデシビル」を新型コロナウイルスの治療薬として利用する特許を出願した。

同氏は「患者へのレムデシビルの投与も非常に近い時期に始まる。レムデシビルはエボラ出血熱にはあまり効果がなかったが、エボラウイルスとコロナウイルスは別物で、効果が期待できる可能性がある」とした上で「良い兆候がみられるかどうかを確認するには数週間待つ必要がある」と述べた。



ロイター


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豪BHP、英アングロへの買収提案の改善検討=関係筋

ビジネス

円が対ドルで5円上昇、介入観測 神田財務官「ノーコ

ビジネス

神田財務官、為替介入観測に「いまはノーコメント」

ワールド

北朝鮮が米国批判、ウクライナへの長距離ミサイル供与
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中