最新記事

NATO

トランプがNATO閉幕後の会見を中止して帰国 首脳らの陰口に憤慨?

Trump to Leave NATO Meeting Early After Video Catches World Leaders Appearing to Mock Him

2019年12月5日(木)15時50分
デービッド・ブレナン

トルドーには「裏表がある」と、トランプは言った(12月4日、ロンドンで行われたNATO首脳会議で) Kevin Lamarque-REUTERS

<英エリザベス女王主催のレセプションで英仏の首脳らがトランプの陰口を叩いているかような映像が流出していた>

ロンドンで開かれたNATO首脳会議に出席していたドナルド・トランプ米大統領は12月4日、会議の閉幕後に予定していた記者会見を突如キャンセルして帰国した。前日の3日夜には、NATOの首脳らがトランプを揶揄しているような場面を捉えた映像が流出したばかりだった。

トランプのスタッフは、会見中止の理由を明らかにしていない。

トランプは4日、ドイツのアンゲラ・メルケル首相との会談の中で、予定を切り上げて帰国する考えを示唆。記者団に対して「記者会見はもう十分に行ったと思う。会議の閉幕後はおそらくそのまま帰国する」と語った。

NATO首脳会議は3日と4日の2日間にわたって開催された。トランプがフランスのエマニュエル・マクロン大統領やカナダのジャスティン・トルドー首相を批判し合う場面もあり、波乱に満ちた2日間となった。

「裏表のある男」と憤慨

なかでも各国メディアの好奇心を引き付けたのは、3日夜にバッキンガム宮殿で催されたレセプションだ。この時、トルドーとマクロン、イギリスのボリス・ジョンソン首相とオランダのマーク・ルッテ首相の4人が立ち話をしながらトランプをジョークのネタにする場面がカメラに捉えられ、その映像が流出したのだ。

カナダの国営放送CBCが報じたこの映像には、4人の首脳がトランプをネタにして、マクロンがレセプションに遅刻したのはトランプが長々と会見を行ったせいだと話す様子が映っていた。なかでもいちばん楽しそうにしていたトルドーは、トランプが延々と話し続けるので側近たちは唖然とし「あんぐり口を開いていた」と語っていた。

首脳の立ち話。真ん中の4人が左からルッテ首相、トルドー首相、後ろ姿のマクロン大統領、横向きのジョンソン首相


この映像について記者団から4日に質問を受けたトランプは、トルドーを「裏表のある男だ」と批判。「とてもいい男だとは思う」としつつも、NATO加盟国が2024年までに国防費をGDPの2%以上に増やすという目標について「私は、カナダがその2%を支出していない事実を突きつけた。それが気に入らなかったのだろう」と語った。

一方トルドーは、彼らが話していたのはトランプの記者会見が長いことではなく、次のG7首脳会議はアメリカのキャンプデービッドだ、とトランプが発表したことについてだったと説明した。トランプ側近も初耳のように驚いていた、という意味で、トランプの陰口を叩いていたわけではない......。

<参考記事>【写真特集】ポルノ女優から受付嬢まで、トランプの性スキャンダルを告発した美女たち
<参考記事>カナダのトルドー首相、西側代表としてトランプを攻撃 返ってきたのは八つ当たり

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インドGDP、7─9月期は前年同期比8.2%増 予

ワールド

今年の台湾GDP、15年ぶりの高成長に AI需要急

ビジネス

伊第3四半期GDP改定値、0.1%増に上方修正 輸

ビジネス

独失業者数、11月は前月比1000人増 予想下回る
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中