最新記事

ライフスタイル

初婚男女の年齢ゾーン別組み合わせランキング──40代以上の結婚希望はなぜ叶いにくいのか

2019年12月11日(水)11時30分
天野馨南子(ニッセイ基礎研究所)

50代の初婚結婚は至難の業

民間の結婚相談所においても、非営利の団体においても、男性登録者の登録年齢が女性登録者よりかなり高くなる(登録が遅れる)ことが現場では問題視されている。

なぜ「問題視」されるのか、データで確認したい。

年間成婚数における発生確率マップとも言える上記の初婚男女年齢の組み合わせランキングであるが、初婚の50代の男性が初登場するのは組み合わせの多い順にみて32番目以降となる(図表3)。

最も多い40代前半女性との組み合わせで見ても発生確率は全体の0.1%であり、514件であった。514件と聞くとかなり多いのではないか、と考える読者もいるかもしれない。しかし、発生全体36万件の0.1%であり、また、発生確率の高い組み合わせの上位98.6%(31位までの件数)に入ってこない1、ということを留意したい。

Nissei191210_3.jpg

以上から、

(4) 50代の初婚は成婚しやすい組み合わせの上位98.6%に入らないため、「男女ともに」非常に厳しいといえる

(5) 50代の初婚男性で、発生確率は低いものの成婚している組み合わせで最も多い相手は40代前半女性である

男女とも、40代、50代の結婚は成婚全体に占める発生確率から見て、決して確率が高い状況ではないが、その現実に関しての認識の差が、男女で大きく異なっている。またこの認識の差異から、男性登録者の結婚マッチングシステムへの登録が女性よりも大きく遅れているのが現状である2。

先に支援現場で「問題視」されている、と述べたが、意識差の問題(発生確率の認知格差)から、結婚相談所や支援団体やサポーターが現在最も説得に苦慮しているのは、40代以降の男性登録者とこういった発生確率を理解していないその親族に対してとなっている。

結婚に向けた活動の中で、徐々に認知の歪みが是正される男性登録者もいるが、その場合でも「第2の壁」として、マッチング相手の女性の年齢への理解が出来ない男性側の親族のブロックへの苦慮の声があがっている。

希望する事象の発生データを正しく理解するためにも、次回も続編で最新の結婚年齢ゾーン別にみた組み合わせ発生状況のさらなる解説を行なっていきたい。

―――――――――――
1 しかもこの発生確率は成婚した男女における確率であり、希望はあるものの成婚にいたらなかった男女は母数に含まれないことも留意したい
2 本稿では省略するが、20代30代では女性の登録者が男性登録者を大きく上回り、男女の登録者数がバランスするのはようやく40代からとなる。50代では圧倒的に男性登録者が占めるように変化する。

amano181109.jpg[執筆者]
天野 馨南子 (あまの かなこ)
ニッセイ基礎研究所
生活研究部研究員 准主任研究員

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

シリア暫定大統領、ワシントンを訪問へ=米特使

ビジネス

伝統的に好調な11月入り、130社が決算発表へ=今

ワールド

APEC首脳会議、共同宣言採択し閉幕 多国間主義や

ワールド

アングル:歴史的美術品の盗難防げ、「宝石の指紋」を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中