最新記事

災害

米南部に接近中!ハリケーン・ドリアンをライブで観る

Hurricane Dorian Live Cams

2019年9月3日(火)16時25分
スコット・マクドナルド

バハマ上空にあるハリケーン・ドリアンの目 NWS/REUTERS

<バハマに壊滅的な被害をもたらした最強のハリケーンがフロリダに上陸したら?>

カリブ海で発達したハリケーン「ドリアン」は9月1日、カテゴリー5(ハリケーンの指標で最大級)の勢力で、バハマ北部のアバコ島に上陸。容赦ないその威力で、山崩れが3カ所で発生した。アイウォールという台風の「目」を取り巻く発達した積乱雲の壁の内側の風速は82メートル、最大瞬間風速は統計開始以来の100メートルに達した。

ドリアンはバハマ上空を非常にゆっくりしたスピードで西に向かって移動しており、アバコ島は壊滅的な状態だ。勢力はその後、カテゴリー4に引き下げられたものの、いまだに強い勢力を保っている。9月1日午後6時現在、風速はおよそ65メートル。バハマでは少なくとも5人が死亡したほか、行方不明者の捜索が続いている。

<参考記事>大型ハリケーンを前に動物が避難 フラミンゴは優雅にゴルフカートで

ドリアンはどこへ向かうのか。ほぼすべての予測モデルが一致するところでは、ドリアンは今後進路を北に向け、勢力を保ったままアメリカ東岸を通過する見込みだ。沿岸部の一部の都市には避難命令が出されている。フロリダ州のほか、その北の海沿いに位置するジョージア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州でも厳戒態勢がとられている。さらに北のバージニア州でも、ドリアンの襲来に備えた準備が進むが、ドリアンは5日から6日にかけて、風速約45メートルの勢力でアメリカ東部に停滞する恐れがある。

FOXニュースは、ドリアンの予想進路をライブ配信している。

ドリアンを宇宙からとらえた最新映像。YouTubeチャンネル「Space Videos」が配信している

サウス・フロリダ地区のダニアビーチ桟橋や海岸の様子を映す映像。

フロリダ州南部の都市スチュアートを高台からとらえた映像。

米国立ハリケーンセンター(NHC)が9月2日夜に述べたところによると、ハリケーン・ドリアンの影響で、フロリダ州、ジョージア州、サウスカロライナ州の沿岸では1.2メートルから2.1メートルほどの高潮が発生する可能性がある。また、北上するにつれ、海岸沿いでは強風が吹き、最大瞬間風速44メートル以上に達する可能性もある。しかしNHCによれば9月2日現在、ドリアンは完全に失速しており、バハマ上空にとどまったままだ。

<参考記事>フェイクニュース? アマゾン火災をブラジルが放置する理由

フロリダ州南東部にある都市フォートローダーデールの日刊紙サン・センチネルによると、NHCは以下のように語っている。「最大の懸念は、フロリダ州に接近する際にドリアンの動きが遅いことだ。フロリダ州の一部の地域で、強風や危険な高潮、大雨の影響が長引く危険性が高くなる」

(翻訳:ガリレオ)

20190910issue_cover200.jpg
※9月10日号(9月3日発売)は、「プーチン2020」特集。領土問題で日本をあしらうプーチン。来年に迫った米大統領選にも「アジトプロップ」作戦を仕掛けようとしている。「プーチン永久政権」の次なる標的と世界戦略は? プーチンvs.アメリカの最前線を追う。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=下落、予想下回るGDPが圧迫

ビジネス

再送-〔ロイターネクスト〕米第1四半期GDPは上方

ワールド

中国の対ロ支援、西側諸国との関係閉ざす=NATO事

ビジネス

NY外為市場=ドル、対円以外で下落 第1四半期は低
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 3

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 4

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中