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NY外為市場=ドル下落、9月利下げ観測維持 米ロ首脳会談に注目

2025年08月16日(土)06時19分

ニューヨーク外為市場ではドルが主要通貨に対し下落した。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 15日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが主要通貨に対し下落した。今週発表された一連の経済指標で米連邦準備理事会(FRB)が9月の次回会合で利下げを再開するとの観測が裏付けられた。市場ではトランプ米大統領とロシアのプーチン大統領が米アラスカ州アンカレジで行っている会談でウクライナ停戦に向け何らかの進展が得られるか注目されている。

米ロ首脳はこの日、アンカレジのエルメンドルフ・リチャードソン米軍基地に到着し、笑顔で握手を交わした後、外相らを交え会談に入った。

バリンガー・アンド・カンパニー(ロンドン)の外為アナリスト、カイル・チャップマン氏は「今回の米ロ首脳会談で何が起こるか分からない」としながらも、「持続可能な停戦に向けた進展への期待は低い」と指摘。ただ、何らかのプラスのサプライズがあればドル安に傾くとの見方を示した。

ウクライナ停戦合意が得られれば、ユーロが恩恵を受けるとの見方が大勢。終盤の取引でユーロ/ドルは0.5%高の1.1702ドル。

ドル/円は0.4%安の147.23円。日本の4─6月期の国内総生産(GDP)速報値は、輸出や設備投資などが寄与し、物価変動の影響を除いた実質ベースで前期比0.3%増加した。

この日発表の米経済指標では、商務省発表の7月の小売売上高が前月比0.5%増加。 米ミシガン大学発表の8月の消費者信頼感指数(速報値)は58.6と、市場予想に反し低下。トランプ政権の関税措置の影響で物価上昇が想定されていることが重しとなったとみられる。このほか、FRB発表の7月の鉱工業生産は前月比0.1%低下した。

FRBは9月の会合で利下げを決定するとの観測は変わっていない。バリンガーのチャップマン氏は「市場で9月利下げ観測が維持され、焦点がアラスカ州で行われている米ロ首脳会談に移る中、ドルは朝方の上昇から下落に転じた」としている。

CMEフェドウオッチによると、9月の会合で0.25%ポイントの利下げが決定される確率は93%。

FRBの金融政策の行方の手がかりを得ようと、市場は21─23日の日程で開かれる年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」に注目。同会議ではパウエルFRB議長が22日に講演を行う。アネックス・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ブライアン・ジェイコブソン氏は「多くのFRB当局者が利下げ再開について語り始める中、パウエル議長は市場で出ている利下げ観測を抑制しようとする可能性がある」と述べた。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインはほぼ横ばいの11万7126ドル。

ドル/円 NY終値 147.18/147.21

始値 146.94

高値 147.33

安値 146.75

ユーロ/ドル NY終値 1.1697/1.1699

始値 1.1685

高値 1.1715

安値 1.1674

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