最新記事

フェス

祝ウッドストック50周年! 伝説のパフォーマンスを振り返る

Happy 50th Woodstock!

2019年8月1日(木)17時00分
ピーター・カルボナーラ、ハンク・ギルマン

wood190806b.jpg

BLANK ARCHIVES/GETTY IMAGES

忘れられて当然の演奏

クイル

もっぱら米北東部で活動していたバンドで、一部に熱烈なファンがいたという。キンクスやディープ・パープルの前座を務めたこともある(映画には出てこない)。

キーフ・ハートリー・バンド

こちらも映画には出てこない。ドラムのキーフ・ハートリーが率いるブラスロックバンドで、どこかシカゴを思わせる。ちなみにハートリーが60年代の一時期に在籍したロリー・ストーム&ザ・ハリケーンズの前任ドラマーは、ビートルズ加入前のリンゴ・スターだった。

見逃された名演

ラビ・シャンカール

シタール奏者シャンカールとタブラ奏者アラ・ラカの熱演が映画に収録されなかったのはおかしい。達人2人の超ハイスピードな掛け合いは圧巻。観客がマリフアナでハイになった若造でも手抜きは一切なし。プロのかがみだ。

メラニー

雨を理由に出演を取りやめたインクレディブル・ストリング・バンドの代わりに出演した。ほぼ無名だったが、これを機に潮目が変わり「心の扉をあけよう」は大ヒット。映画に拾われなかったことも本人は気にしていないだろう。

ディレクターズカット版にもなかった演奏

マウンテン

ギタリストのレスリー・ウエストが率いる実力派バンドで、ウッドストックで披露した「想像されたウエスタンのテーマ」は最高だった。ちなみにベース兼ボーカル担当のフェリクス・パパラルディはイギリスのロックバンド「クリーム」のプロデュースも手掛けた。

クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル

映画にもサントラ盤にも入っていないが、当時はブルーカラー的な感性が光る人気バンドだった。ボーカルのジョン・フォガティが自分たちの前に演奏したグレイトフル・デッドについて、「彼らが観客を眠らせたから、俺たちが起こさなきゃならなかった」と文句を言った話は有名だ。

二度と見たくない演奏

グレイトフル・デッド

よほど疲れていたのか、演奏は見た目も内容も最悪。「ママ・トライド」も「ターン・オン・ユア・ラブ・ライト」もさえない。前出のフォガティの発言も納得だ。

映らなかったメンバー

クロスビー、スティルス、ナッシュ& ヤング

ニール・ヤングを加えたライブはこれが2度目だったが、なぜかヤングは映っていない。カメラはファンにも自分にも邪魔だと言って撮影を拒んだとされる。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個

ワールド

「トランプ氏と喜んで討議」、バイデン氏が討論会に意

ワールド

国際刑事裁の決定、イスラエルの行動に影響せず=ネタ

ワールド

ロシア中銀、金利16%に据え置き インフレ率は年内
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中