同性愛差別だという告発を受けてブランドに傷がついたケースは過去にもある。イタリアのパスタメーカー「バリラ(Barilla)」のグイド・バリラ会長は2013年のラジオインタビューで、「バリラのCMに同性愛の家族は出演させない。彼らに対する敬意がないのではなく、賛成できないからだ」と発言した。さらに、同性愛カップルが養子を取ることにも反対だと述べ、もし自分の考えを気に入らないLGBTQがいたら、ほかのブランドのパスタを買えばいい、と言った。

これでバリラ製品の不買運動が発生し、ハーバード大学は、食堂から同社製品を撤去した。

バリラのCEO、クラウディオ・コルツァーニは2019年5月、ブルームバーグにこの時を振り返ってこう述べている。「市場シェアについて危機感を抱いた。だが、それよりはるかに心配だったのは、バリラが時代遅れのブランドだと思われることだった」

企業文化の変え方

バリラはイメージ回復のため、2018年には「スパゲッティNo.5」の限定パッケージを発表。2人の女性が1本のスパゲッティを口にくわえているイラストが描かれていた。ディズニーアニメ『わんわん物語』の有名な絵を模したものだ。同社はまた、多様性とインクルージョン(包含)を推進する社内委員会を立ち上げ、ゲイ活動家のデイヴィッド・ミクスナーをコンサルタントとして招聘したほか、LGBTQを支援する非営利団体に寄付も行った。

コルツァーニは2017年に発表した声明で、「バリラの文化、価値観、行動規範には長きにわたって、多様性、インクルージョン、平等が根づいている」と述べた。「そうした考えは、当社の方針と従業員の福利厚生にも反映されている。年齢や障害の有無、ジェンダー、人種、宗教、性的指向は問われない」

(翻訳:ガリレオ)

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