最新記事

同性愛

同性愛差別でニベアとの契約打ち切り?──大手広告代理店FCB

Nivea Skincare Accused of Homophobia: 'We Don't Do Gay'

2019年7月2日(火)17時25分
ダニエル・アベリー

世界的に有名なニベア・ブランドだが Fabian Bimmer-REUTERS

<大手広告代理店FCBが、100年以上続いてきたニベアとの契約を打ち切る。原因は、ニベアがゲイをモチーフにした広告素材を拒絶したからと言われる。欧米では同性愛差別にこれほど厳しい>

世界最大級の広告代理店であるFCB(Foote, Cone & Belding)が、スキンケア・ブランド「ニベア」との代理店契約を終了することがわかった。その理由として、同性愛差別の疑いが浮上している。FBCが広告用に提案した2人の男性が手を触れ合っている画像を、ニベアが却下したというのだ。

広告業界情報サイト「アド・エイジ」が、自分はゲイであると公表しているFCBのクリエーターの話として伝えたところによると、ニベア側はFCBチームに対し、「ニベアはゲイは扱わない」と告げたという。

FCBは社内メモで、ニベアとの世界規模の代理店業務を、契約が満了する2019年末で打ち切ると発表した。

1882年にドイツで創業されたニベアは、ハンブルクを拠点とする化粧品メーカー、バイヤスドルフの子会社。FCBのグローバルCEO(最高経営責任者)、カーター・マレーのメモによれば、バイヤスドルフ傘下の他のブランドとの契約は続行される。

アド・エイジによると、FCBとニベアとのつながりは100年以上も続いてきた。しかし、ここ数年は緊張関係が高まりつつあった。

<参考記事>同性愛への寛容度でわかる日本の世代間分裂

長い関係も断つと決断

マレーはメモにこう書いている。「長い関係の中では、ともに達成してきた過去を振り返り、次の旅路へと踏み出す時期が来るものだ。場合によっては、難しい選択を迫られて、別々の道を行かなればならないこともある」

今回の決断に至るまでには「われわれの創造的な野心について、熟考と議論を重ねた」と、マレーは書いている。

「世界中の市場においてニベアと手を取り合って歩んできた素晴らしい旅路を振り返り、誇りに思う。難しい判断だった」

マレーは、FCBの世界の売り上げのうち1%をニベアが占めていると言い、「2020年にはその分を取り返すことができると確信している」と言った。

ニベアの親会社バイヤスドルフの広報担当者は、「根も葉もない憶測」についてコメントはしない、と述べた。

「ただし、報道されている主張に関しては懸念を表したい。そうした主張は、バイヤスドルフやニベア、そして世界中の従業員が持つ価値観を反映していないからだ」

<参考記事>フィリピン大統領「私も同性愛者だったが『治した』」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は反発で寄り付く、5万3000円回復 自律

ワールド

アルゼンチン、イラン臨時代理大使を国外追放 攻撃関

ワールド

トランプ氏、1.5兆ドルの27年度国防予算案提示へ

ビジネス

米メキシコ湾の有望深海油田、最大51%権益入札に欧
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 2
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受給年齢」
  • 3
    破産申請の理由の4割以上が「関税コスト」...トランプ関税が米国民に与える「破産」の苦しみ
  • 4
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 5
    血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測…
  • 6
    日本の男女の賃金格差は世界でも突出して大きい
  • 7
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 8
    先進国が出生数の減少を嘆く必要はない? 「経済的…
  • 9
    「一般市民に敵意なし」...イラン大統領が米国民宛て…
  • 10
    200年前の沈没記録が裏付けられた...捕鯨船を海の藻…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 6
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 7
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 8
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 9
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 10
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中