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ニューズウィークが見た「平成」1989-2019

去りゆく象徴、善良なる男性、平成日本の「普通の天皇」

A Good Man Leading a Normal Country

2019年4月24日(水)11時10分
ビル・パウエル(本誌シニアライター、元東京支局長)

即位以来、皇室と国民の距離を縮めることを願ってきた天皇は、国民が苦しみと衝撃と圧倒的な悲しみの中にあったそのとき、自らの誓いを実行に移した。彼は国民に向けて歴史的なビデオメッセージを発表し、連帯して「不幸な時期を乗り越える」ことを呼び掛けた。皇后と共に避難した人々を見舞い、被災地を訪れた。被災者の力と慰めになろうとする感動的な姿こそが、私にとっては今の天皇の歩みのクライマックスだ。

彼は威厳がありながらも共感に満ち、天皇という存在を人間的なものにすることに成功した。後世に残る彼の功績とは、その点だろう。愛する故国が負った痛ましい傷を少しでも癒やそうと、力の及ぶ限りのことをした善良で立派な男性──天皇が退位した後、私は彼をそんな人物として思い起こすに違いない。

<「ニューズウィークが見た『平成』1989-2019」掲載>

「ニューズウィークが見た『平成』1989-2019」書き下ろしコラム
長岡義博:平成は日本人に「無常」を教えた──バブル崩壊から原発事故、そして次の「非常識」
ピーター・タスカ:失われた20年に「起きなかったこと」に驚く──平成は日本を鍛え上げた時代
コリン・ジョイス:国技館で天皇を見た、平成は立派で前向きな時代だった
デーナ・ルイス:平成の日本:「新しい不平等」の受け入れと、無関心の仮面の下に見たもの

※詳しくは「ニューズウィークが見た『平成』1989-2019」をご覧ください。

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