最新記事

ヘルス

セレブに人気のリンゴ酢で健康と美肌を目指そう

Apple Cider Vinegar 101

2019年4月4日(木)18時00分
イブ・ワトリング

リンゴ酢にはリンスや洗剤の代わりに使うなど多くの用途がある Thamkc/SHUTTERSTOCK

<万能薬と期待することはできないが、血糖値対策からフットバスまで使い道はさまざま>

古代バビロニアの時代から、酢は調味料として、また食品の保存料や民間薬として愛されてきた。医療が進歩した今も、酢の健康効果や美肌効果、ダイエット効果への信仰は根強い。

なかでも最近、人気なのがリンゴ酢で、日常的に摂取しているセレブも多い。女優のスカーレット・ヨハンソンは美肌の秘訣はリンゴ酢にあると語っているし、カーダシアン一家の長女コートニーもリンゴ酢を飲むのを日課にしている。

栄養士のキャサリン・キンバーは、リンゴ酢には体にいいミネラル成分が少量ながら含まれていると語る。「少量のアミノ酸と抗酸化物質も摂取できる。これは細胞が損傷する過程を遅らせる効果がある」

もっとも胃不全麻痺や胃酸過多、血糖値を下げる薬を使っている人には害になる可能性があるし、カリウムの吸収や一部の医薬品の作用を邪魔する恐れもある。常飲したいなら事前に医師に相談したほうがいい。

そもそも酢は酸性だから、原液のまま、もしくは薄めても一日に何度も飲んだりすれば歯や消化器官を傷める恐れがある。健康情報サイトのヘルスラインは、大さじ1杯を240ミリリットルの水に薄め、1日に1~2回、糖質の多い食事の前に飲むよう推奨している。

リンゴ酢を生活に取り入れる方法をいくつか紹介しよう。

血糖値が気になる人に

酢に含まれる酢酸を食事の前に取ると、でんぷんの吸収を妨げる効果が期待できる。ある研究では、血流を促進し、インスリンレベルのバランスを取る効果もあったという。ただしこの研究は(酢に関する研究の多くはそうだが)、少数の被験者を対象にしたものであることには留意するべきだ。

精白小麦粉で作られたベーグルとオレンジジュースと共に小さじ4杯のリンゴ酢を摂取したところ、食後の血糖値の急上昇が緩やかになったとの研究もある。しかし栄養士のキンバーは「(この組み合わせは)バランスの取れた食事の代表とは言い難い。(酢を飲まなくても)野菜とタンパク質をいくらか加えれば同じ効果が得られたかもしれない」と指摘する。

ダイエット効果は?

09年に日本で行われた研究では、肥満体の人に酢を混ぜた飲料を摂取させたところ、体重が12週間で0.5~1キロ減ったという。もっとも、国際肥満ジャーナルに掲載されたある論文は酢の減量効果について、刺激的な味のせいで気分が悪くなり、食欲が落ちるためだろうと指摘している。

美肌効果を狙うなら

ニキビの治療や洗顔に薄めたリンゴ酢を使う人もいるが、日常的に使うには酸が強過ぎる可能性も。だがリンゴ酢には抗真菌成分や抗菌成分が含まれ、ニキビ痕を薄くする効果もあるとされる。頻繁に使うのでなければ自家製フェイスパックの材料にもおすすめだ。パックはリンゴ酢に保湿成分として蜂蜜を加えるなどして作るが、使用前にパッチテストを行い、ヒリヒリしないか確認すること。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ、米軍駐留の可能性協議 ゼレンスキー氏「

ワールド

ロ、和平交渉で強硬姿勢示唆 「大統領公邸攻撃」でウ

ワールド

ウクライナ支援「有志連合」、1月初めに会合=ゼレン

ワールド

プーチン氏公邸攻撃巡るロの主張、裏付ける証拠なし=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中