最新記事

韓国事情

韓国コンビニも営業時間短縮、しかし日本とはかなり事情が異なる

2019年3月29日(金)18時20分
佐々木和義

株式の売却を発表したミニストップだったが......

韓国のコンビニ業界は、店舗数約1万3100軒のCUと1万店強のGS25を9500店余のセブンイレブンが追いかける構図となっている。4位のイーマート24は3500店余で、大きく水をあけられている。出店規制で店舗網の拡大が厳しくなったセブンイレブンを運営するロッテとイーマート24を運営する新世界は、株式の売却を発表したミニストップの買収に名乗りを挙げた。

韓国ミニストップは、食品メーカーの大象(デサン)が設立した大象流通が母体で、2006年6月にイオンが買収した。イオンが株式の76.06%を保有し、大象が20%、残りを三菱が保有する。2014年にファミリーマートが撤退し、韓国コンビニ業界唯一の外資系コンビニチェーン店となった。

イオンは単身世帯の増加と消費パターンの変化で、韓国のコンビニ市場が成長すると予想したが、過当競争に突入すると営業利益が激減する。そこで流通業のノウハウがあるパートナーと組む必要があると判断し、株式を売却することにしたのである。

株式売却で、最も高い入札価格を提示したロッテと交渉を進めたが、ロッテはミニストップの看板を下ろしてセブンイレブンに転換することを求め、新世界もイーマート24に転換する条件を提示した。2550店のミニストップを加えるとロッテはGS25を抜いて2位となり、新世界も一気に店舗網が拡大するからだ。

しかし、韓国ミニストップの株式を売却する目的は縮小や撤退ではなく、また、ミニストップの看板を下ろすことに抵抗があるため、結局、2社との交渉が決裂したイオンは株式の売却を中断した。

いっぽう、政界ではコンビニ店主等の最低収入保障を含む加盟事業法改正案が発議されている。韓国ミニストップは他のチェーンと異なり、店主の最低収入を保障しているが、実際に最低収入保障を適用している店は多くはない。韓国ミニストップのシム・グァンソプ代表は、出店競争には参入せず、加盟事業の本質である店主の収益最大化に全力を注ぐと話している。

過当競争の果ての出店規制、人件費の高騰と夜間売上の不振、韓国のコンビニ業界にとっては、まだはっきりした対策の打ち出しようのない厳しい時期が続きそうだ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏投資家心理、1月予想以上に改善 底打ちの兆

ビジネス

中国AI研究者、米国との技術格差縮小可能と指摘 課

ビジネス

25年世界スマホ出荷2%増、アップルがシェア20%

ビジネス

26年の原油価格は下落へ、供給増で=ゴールドマン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画をネット民冷笑...「本当に痛々しい」
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    筋力はなぜパワーを必要としないのか?...動きを変え…
  • 10
    美男美女と話題も「大失敗」との声も...実写版『塔の…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 10
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中