最新記事

アメリカ政治

米政府機関閉鎖は24日目に突入 連邦航空局の航空機・路線承認業務が停止

2019年1月15日(火)10時22分

1月14日、米政府機関の一部閉鎖に伴い、航空会社の航空機や新路線の導入に関する連邦航空局(FAA)の承認業務が停止し、運航開始が後ずれするなどの影響が出ている。写真はサウスウエスト航空の航空機。ロサンゼルス空港で2015年10月に撮影(2019年 ロイター/Lucy Nicholson)

米政府機関の一部閉鎖に伴い、航空会社の航空機や新路線の導入に関する連邦航空局(FAA)の承認業務が停止し、運航開始が後ずれするなどの影響が出ている。

トランプ大統領が要求するメキシコ国境の壁建設費用に端を発する政府閉鎖は14日に24日目に突入。

FAAは法律によって政府閉鎖中に行える業務に制約が加えられており、安全に重大な関わりがある機能の全てを果たすため、リスク分析に基づいて資源を配分しているとコメント。広報担当のグレッグ・マーティン氏は「既存業務と運航可能な航空機について高水準の安全性を維持することを優先している」と述べた。

サウスウエスト航空は14日、路線の承認を担当するFAA傘下組織の職員が一時帰休となっているため、ハワイ路線の就航計画を停止していると発表。当初は今年序盤の就航を目指していたが、承認を受けるまで航空券の販売開始あるいは就航の時期のめどは公表できないとしている。

米航空最大手アメリカン航空グループは、ボーイング製の新型MAX8型機2機が納入されたが、FAAの承認を待っているためまだ導入できていないと明らかにした。当面の業務への影響はないとしている。

ユナイテッド航空の広報担当は、ボーイング737MAX9型機1機と欧州エアバス製A319の中古機1機を導入するためにFAAの業務再開を待っているとコメントした。

エアバスはカナダのボンバルディアから買収した小型機「A220(旧Cシリーズ)」をデルタ航空に納入する計画に遅延が生じる可能性について、コメントを差し控えた。

デルタは納入を受けた4機のA220─100について電子メールで、「完全な認可」を得るためにFAAに協力する方針で、1月31日に運航を開始する計画に変更はないとした。

アナリストらは、FAAによる承認の遅延によって航空大手の輸送能力に大きな影響が出るとは見込んでいないが、長期化する政府閉鎖の影響に関する経営陣のコメントを待つ構えを示している。

[14日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 ガザの叫びを聞け
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月2日号(11月26日発売)は「ガザの叫びを聞け」特集。「天井なき監獄」を生きる若者たちがつづった10年の記録[PLUS]強硬中国のトリセツ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=円下落、日銀利上げ観測受けた買い細る

ビジネス

米経済活動、ほぼ変化なし 物価は緩やかに上昇=地区

ワールド

香港の高層マンション群で大規模火災、36人死亡 行

ワールド

米特使がロに助言、和平案巡るトランプ氏対応で 通話
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 5
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 6
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 7
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 8
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中