最新記事

軍事

比ドゥテルテ、イスラエルで過去の暴言を謝罪 武器と石油が取り持つ「怪しい同盟」

2018年9月5日(水)13時30分
大塚智彦(PanAsiaNews)

レイプは女性が美人だから?

こうして過去の問題発言を謝罪したドゥテルテ大統領だが、中東に出発する直前の8月30日には「ダバオ市ではレイプ事件が多い。美人がいる限りレイプ事件は起きる」と発言した。これは2018年の第2四半期でダバオでのレイプ事件発生がフィリピン国内で最も多かったことを受けた発言だった。

この「美人=レイプ」という趣旨の発言にはすぐにフィリピン国内から反論が噴出した。女性団体からは「女性を貶める発言で大統領としてふさわしくない」と大統領の資質に疑問を示した。女性のレニー・ロブレド副大統領も9月3日、ケソンでの記者会見で「レイプは美人がいるからではなく、性犯罪者がいるから起きるのである。私は女性だからではなく人間としてこの発言は大きな間違いでああり、冗談ではすまされないと考える」と大統領発言を厳しく非難した。

この発言がフィリピン国内で問題となっていることを受けてドゥテルテ大統領は9月3日(フィリピン時間では9月4日)、イスラエルで「レイプに関するジョークは表現の自由を試しただけである。事実としてダバオではレイプ事件は多く発生しており、また美人も多い。美人が全員レイプ被害者だなどとは言っていない。報道に惑わされるな」と強気の姿勢を貫き、訂正や反省は一切しなかった。

これについて、ドゥテルテ大統領の娘でダバオ市のサラ・ドゥテルテ市長は9月4日、「大統領を批判する人たちはユーモアというものをわかっていない」と大統領発言を擁護した。

大統領法律顧問のパネロ氏も「大統領の批判者がから騒ぎしてあれこれと詮索しているだけである」と大統領発言に問題がないとの立場を示し、その上でダバオ市では女性に対して雇用機会を与えているなどと「援護射撃」した。

大統領府も「大統領独特のジョークであり、深刻に受け止めるべきではない」と発表、火消しに躍起となるなど久々の「ドゥテルテ節」の炸裂に関係者は忙しい対応を余儀なくされている。


「レイプは女性が美人だから」発言が国内で論争を呼んでいることを伝える現地メディア ABS-CBN News / YouTube

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベネズエラ、今月初めの米軍による攻撃で兵士47人死

ワールド

EU、重要インフラでの中国製機器の使用を禁止へ=F

ワールド

イラン抗議デモ、死者3000人超と人権団体 街中は

ワールド

韓国、米のAI半導体関税の影響は限定的 今後の展開
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向」語る中、途方に暮れる個人旅行者たち
  • 2
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手がベネズエラ投資に慎重な理由
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 5
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 6
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 7
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 8
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    日中関係悪化は日本の経済、企業にどれほどの影響を…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 8
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 9
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 10
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中